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■添付文書情報 ■配合変化 ■安定性 ■製剤写真 ■開発経緯
■「使用上の注意」解説 ■副作用集計成績 ■副作用情報 ■特殊病態での使用法 ■相互作用
■過量投与時の対処法 ■くすりのしおり ■JANコード      


エンブレル皮下注用10mg・25mg
添付文書
警告禁忌組成・性状効能・効果用法・用量使用上の注意薬物動態臨床成績薬効薬理有効成分に関する理化学的知見承認条件包  装主要文献及び文献請求先文献請求先PDFファイル版
※PDFファイルをご覧になる場合はAdobe社のAcrobat Readerが必要です

※この添付文書情報は実際の添付文書と若干異なる場合があります。


** 2009年12月改訂(第9版)
* 2009年9月改訂
完全ヒト型可溶性TNFα / LTαレセプター製剤
生物由来製品  劇薬  処方せん医薬品(注1)
エンブレル皮下注用10mg・25mg

日本標準商品分類番号  873999

   *,**10mg 25mg
承認番号 22100AMX01835 21700AMY00005
*,**薬価収載 2009年9月 2005年3月
**販売開始 2009年12月 2005年3月
効能追加 2009年7月 2009年7月


注1) 処方せん医薬品:注意 - 医師等の処方せんにより使用すること


貯     法 凍結を避け、2〜8℃で保存
使用期限 表示の使用期限内に使用すること。(表示の使用期限内であっても、開封後はなるべく速やかに使用すること。)

【警告】
1. 本剤投与により、結核、敗血症を含む重篤な感染症及び脱髄疾患の悪化等が報告されており、本剤との関連性は明らかではないが、悪性腫瘍の発現も報告されている。本剤が疾病を完治させる薬剤でないことも含め、これらの情報を患者に十分説明し、患者が理解したことを確認した上で、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。
また、本剤の投与において、重篤な副作用により、致命的な経過をたどることがあるので、緊急時の対応が十分可能な医療施設及び医師が使用し、本剤投与後に副作用が発現した場合には、主治医に連絡するよう患者に注意を与えること。
2. 感染症
 (1) 重篤な感染症
敗血症、真菌感染症を含む日和見感染症等の致死的な感染症が報告されているため、十分な観察を行うなど感染症の発症に注意すること。
 (2) 結核
播種性結核(粟粒結核)及び肺外結核(胸膜、リンパ節等)を含む結核が発症し、死亡例も報告されている。結核の既感染者では症状の顕在化及び悪化のおそれがあるため、本剤投与に先立って結核に関する十分な問診、胸部レントゲン検査及びツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。
また、結核の既感染者には、抗結核薬の投与をした上で、本剤を投与すること。
ツベルクリン反応等の検査が陰性の患者において、投与後活動性結核が認められた例も報告されている。
3. 脱髄疾患の臨床症状・画像診断上の悪化が、本剤を含むTNF抑制作用を有する薬剤でみられたとの報告がある。脱髄疾患(多発性硬化症等)及びその既往歴のある患者には投与しないこととし、脱髄疾患を疑う患者や家族歴を有する患者に投与する場合には、適宜画像診断等の検査を実施するなど、十分な観察を行うこと。
4. 本剤の治療を行う前に、非ステロイド性抗炎症剤及び他の抗リウマチ薬等の使用を十分勘案すること。また、本剤についての十分な知識とリウマチ治療の経験をもつ医師が使用すること。
5.   
 (1) 関節リウマチ
本剤についての十分な知識とリウマチ治療の経験をもつ医師が使用すること。
 (2) 多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎
本剤についての十分な知識と若年性特発性関節炎治療の経験をもつ医師が使用すること。[「小児等への投与」の項参照]

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【禁忌(次の患者には投与しないこと)】
1. 敗血症の患者又はそのリスクを有する患者[敗血症患者を対象とした臨床試験において、本剤投与群では用量の増加に伴い死亡率が上昇した。「その他の注意」の項参照]
2. 重篤な感染症の患者[症状を悪化させるおそれがある。]
3. 活動性結核の患者[症状を悪化させるおそれがある。]
4. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
5. 脱髄疾患(多発性硬化症等)及びその既往歴のある患者[症状の再燃及び悪化のおそれがある。]
6. うっ血性心不全の患者[症状を悪化させるおそれがある。「その他の注意」の項参照]

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【組成・性状】

販売名 エンブレル皮下注用10mg エンブレル皮下注用25mg
成分・含量
(1バイアル中)
エタネルセプト(遺伝子組換え)
10mg
エタネルセプト(遺伝子組換え)
25mg
添加物
(1バイアル中)
D-マンニトール  40mg
精製白糖  10mg
トロメタモール  1.2mg
塩酸  適量
D-マンニトール  40mg
精製白糖  10mg
トロメタモール  1.2mg
塩酸  適量
色・性状 白色の塊(凍結乾燥製剤)
pH 7.1〜7.7[10mg/mL日局注射用水] 7.1〜7.7[25mg/mL日局注射用水]
浸透圧比
(生理食塩液に対する比)
約1
[10mg/mL日局注射用水]
約1
[25mg/mL日局注射用水]

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【効能・効果】

関節リウマチ(既存治療で効果不十分な場合に限る)

〈効能・効果に関連する使用上の注意〉

過去の治療において、非ステロイド性抗炎症剤及び他の抗リウマチ薬等による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな症状が残る場合に投与すること。

多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎(既存治療で効果不十分な場合に限る)

〈効能・効果に関連する使用上の注意〉

メトトレキサートの少量パルス療法を中核とする併用療法を行っても効果不十分あるいは治療不応の場合、本剤適応の可否を判断すること。
全身型若年性特発性関節炎については、全身症状に対する有効性及び安全性は確立していないため、全身症状が安定し、多関節炎が主症状である場合のみに本剤を投与すること。

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【用法・用量】

関節リウマチ
本剤を日本薬局方注射用水1mLで溶解し、通常、成人にはエタネルセプト(遺伝子組換え)として10〜25mgを1日1回、週に2回、皮下注射する。

多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎
本剤を日本薬局方注射用水1mLで溶解し、通常、小児にはエタネルセプト(遺伝子組換え)として0.2〜0.4 mg/kgを1日1回、週に2回、皮下注射する。(小児の1回投与量は成人の標準用量(1回25mg)を上限とすること)


<用法・用量に関連する使用上の注意>

1. 本剤の投与開始にあたっては、医療施設において、必ず医師によるか、医師の直接の監督のもとで投与を行うこと。本剤による治療開始後、医師により適用が妥当と判断された患者については、自己投与も可能である。 [「重要な基本的注意」の項参照]
2. 注射部位反応(紅斑、発赤、疼痛、腫脹、そう痒等)が報告されているので、投与毎に注射部位を変えること。

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【使用上の注意】

1. 慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)

   (1) 感染症の患者又は感染症が疑われる患者[本剤は免疫反応を減弱する作用を有し、正常な免疫応答に影響を与える可能性があるので、適切な処置と十分な観察が必要である。「重要な基本的注意」の項参照]
   (2) 結核の既感染者(特に結核の既往歴のある患者及び胸部レントゲン上結核治癒所見のある患者)[結核を活動化させるおそれがあるので、胸部レントゲン検査等を定期的に行うなど、結核症状の発現に十分注意すること。「重要な基本的注意」の項参照]
   (3) 易感染性の状態にある患者[感染症を誘発するおそれがある。]
   (4) 脱髄疾患が疑われる徴候を有する患者及び家族歴のある患者[脱髄疾患発現のおそれがあるため、適宜画像診断等の検査を実施し、十分注意すること。「重要な基本的注意」の項参照]
   (5) 重篤な血液疾患(汎血球減少、再生不良性貧血等)の患者又はその既往を有する患者[症状が悪化するおそれがある。「副作用」の 「重大な副作用」の項参照]
   (6) 高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
   (7) 間質性肺炎の既往歴のある患者[間質性肺炎が増悪又は再発することがある。「重大な副作用」の項参照]

2. 重要な基本的注意

   (1) 本剤は、細胞性免疫反応を調整するTNFの生理活性を抑制するので、感染症に対する宿主側防御に影響を及ぼすことがある。そのため本剤投与に際しては、十分な観察を行い感染症の発現や増悪に注意すること。また、患者に対し、発熱、倦怠感等があらわれた場合には、速やかに主治医に相談するよう指導すること。
   (2) 結核の既感染者では症状の顕在化及び悪化のおそれがあるため、本剤投与に先立って結核に関する十分な問診、胸部レントゲン検査及びツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。特に結核感染が疑われる患者には、複数の検査により、適切に感染の有無を確認し、結核の診療経験がある医師に相談すること。結核の既感染者及び検査により結核が疑われる患者には、抗結核薬の投与をした上で、本剤を投与すること。
また、本剤投与前にツベルクリン反応等の検査が陰性の患者においても、投与後活動性結核があらわれることがあるため、本剤投与中は結核の症状の発現に十分注意すること。
なお、患者に対し、結核の症状が疑われる場合(持続する咳、発熱等)は速やかに主治医に連絡するよう説明すること。
   (3) 本剤を含む抗TNF製剤を投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの患者において、B型肝炎ウイルスの再活性化が報告されている。B型肝炎ウイルスキャリアの患者に本剤を投与する場合は、肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。なお、これらの報告の多くは、他の免疫抑制作用をもつ薬剤を併用投与した患者に起きている。
   **(4) 本剤投与中は、生ワクチン接種により感染するおそれがあるので、生ワクチン接種は行わないこと。小児患者には、本剤投与前に、必要なワクチンを接種しておくことが望ましい。[「その他の注意」の項参照]
   (5) 本剤を含む抗TNF療法において、新たな自己抗体の発現が報告されている。[「副作用」の 「その他の副作用」の項参照]
   (6) 本剤を含む抗TNF療法において、多発性硬化症、視神経炎、横断性脊髄炎等の中枢神経系の脱髄疾患の発現や悪化が報告されている。そのため脱髄疾患を有する患者へは本剤を投与しないこと。また、脱髄疾患が疑われる患者については、各患者で神経学的評価を含めて慎重に危険性と有益性を評価した上で本剤投与の適切性を判断すること。
   (7) 本剤に関連したアレルギー反応が報告されている。重篤なアレルギー又はアナフィラキシー反応が発現した場合は、速やかに投与を中止し適切な処置を行うこと。[「副作用」の「重大な副作用」の項参照]
また、重篤な症状以外でも、本剤投与時には、注射部位に紅斑、発赤、疼痛、腫脹、そう痒等の注射部位反応あるいは注射部位出血等が多数認められているので、本剤を慎重に投与するとともに、発現に注意し、必要に応じて適切な処置を行うこと。
   (8) 臨床試験及びその後5年間の長期試験で、悪性リンパ腫等の悪性腫瘍の発現が報告されている。一般に、慢性炎症性疾患のある患者に免疫抑制剤を長期間投与した場合、感染症や悪性リンパ腫の発現の危険性が高まることが報告されており、本剤に起因するか明らかでないが、悪性腫瘍等の発現には注意すること。[「臨床成績」の項参照]
   (9) 本剤投与後にループス様症候群が発現し、さらに抗dsDNA抗体陽性となった場合は、投与を中止すること(本剤投与により抗dsDNA抗体の陽性化及びループス様症候群を疑わせる症状が発現することがある)。[「その他の注意」の項参照]
   (10) 1)自己投与の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施したのち、本剤投与による危険性と対処法について患者が理解し、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施すること。また、適用後、感染症等本剤による副作用が疑われる場合や自己投与の継続が困難な状況となる可能性がある場合には、直ちに自己投与を中止させ、医師の管理下で慎重に観察するなど適切な処置を行うこと。
2)使用済みの注射針あるいは注射器を再使用しないように患者に注意を促し、安全な廃棄方法について指導を徹底すること。全ての器具の安全な廃棄方法に関する指導を行うと同時に、使用済みの針及び注射器を廃棄する容器を提供すること。

3. 相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
サラゾスルファピリジン サラゾスルファピリジン投与中の患者に本剤を追加投与したところ、各々の単独投与群と比較して、平均白血球数が統計学的に有意に減少したとの報告がある。 機序は不明である。

4. 副作用

本剤の承認時までの副作用等の発現状況は、以下のとおりである。

関節リウマチ

〈国内臨床試験成績〉
国内の臨床試験において、安全性評価対象145例中134例(92.4%)に副作用が認められ、その主なものは、感染症(注2)99例(68.3%)、注射部位反応(注3)65例(44.8%)、発疹(注4)56例(38.6%)、めまい14例(9.7%)、そう痒症14例(9.7%)等であった。また臨床検査値異常変動は、ALT(GPT)上昇9例(6.2%)、血中コレステロール増加7例(4.8%)等であった。
(注2) 鼻咽頭炎、上気道感染、気管支炎、結膜炎、胃腸炎、足部白癬、帯状疱疹、敗血症、扁桃炎、膀胱炎等
(注3) 注射部位の紅斑、出血、皮膚炎等
(注4) 湿疹、皮膚炎、紅斑等の累計

〈海外臨床試験成績における有害事象(注5)
海外(米国)の第III相二重盲検比較試験において、安全性評価対象154例中、感染症88例(57.1%)、注射部位反応71例(46.1%)、その他118例(76.6%)の有害事象が認められた。感染症を除く有害事象のうち、本剤との因果関係が否定できないものは、注射部位反応70例(45.5%)、頭痛8例(5.2%)、発疹5例(3.2%)、咳嗽増加、鼻炎、そう痒症、脱毛症各4例(2.6%)等であった。
(注5) 本剤との因果関係の有無にかかわらず発現した事象

若年性特発性関節炎

〈国内臨床試験成績〉
国内の若年性特発性関節炎に対する臨床試験において、安全性評価対象35例中35例(100%)に副作用が認められ、その主なものは、感染症(注6)34例(97.1%)、注射部位反応(注7) 27例(77.1%)、発疹(注8)18例(51.4%)、頭痛17例(48.6%)、腹痛13 例(37.1%)等であった。また、臨床検査値異常変動は、白血球増加8例(22.9%)、ヘモグロビン減少6例(17.1%)等であった。
(注6) 鼻咽頭炎、胃腸炎、インフルエンザ、上気道感染、膿痂疹、咽頭炎、麦粒腫、扁桃炎等
(注7) 注射部位反応、注射部位出血
(注8) 湿疹、皮膚炎、紅斑等の累計

〈海外臨床試験成績〉
海外(米国)の若年性特発性関節炎に対する臨床試験において、安全性評価対象69例中60例(87.0%)に副作用が認められ、その主なものは、感染症(注9)47例(68.1%)、注射部位反応26例(37.7%)、頭痛11例(15.9%)、鼻炎9例(13.0%)、嘔吐6 例(8.7%)等であった。
(注9) 上気道感染、咽頭炎、胃腸炎、耳炎、インフルエンザ症候群、皮膚感染、副鼻腔炎、感染性結膜炎等

(1)重大な副作用
1) 敗血症(1%未満)、肺炎(ニューモシスティス・カリニ肺炎を含む)(1〜5%未満)、真菌感染症等の日和見感染症(5%以上)
このような症状があらわれることがあるので患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、投与中止等の適切な処置を行うこと。なお、感染症により死亡に至った症例が報告されている。
2) 結核(頻度不明(注10))
本剤投与による結核の発症は、投与初期からあらわれる可能性があるため、結核の既感染者には、本剤投与後、問診及び胸部レントゲン検査等を定期的(投与開始後2ヵ月間は可能な限り1ヵ月に1回、以降は適宜必要に応じて)に行うことにより、結核症状の発現に十分に注意すること。また、肺外結核(胸膜、リンパ節等)も報告されていることから、その可能性も十分考慮した観察を行うこと。異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3) 重篤なアレルギー反応 (頻度不明(注10))
血管浮腫、アナフィラキシー、気管支痙攣及び蕁麻疹等の重篤なアレルギー反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような反応が認められた場合には速やかに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
4) 重篤な血液障害 (頻度不明(注10))
再生不良性貧血及び汎血球減少(致命的な転帰に至った例を含む)、白血球減少、好中球減少、血小板減少、貧血、血球貪食症候群があらわれることがある。患者に対し、本剤投与中に血液障害や感染症を疑う症状(発熱の持続、咽頭痛、挫傷、蒼白等)があらわれた場合には、速やかに主治医に相談するよう指導すること。このような患者には、速やかに血液検査等を実施し、血液障害が認められた場合には、投与を中止すること。
5) 脱髄疾患(頻度不明(注10))
多発性硬化症、視神経炎、横断性脊髄炎等の脱髄疾患があらわれることがある。異常が認められた場合には、投与を中止する等の適切な処置を行うこと。
6) 間質性肺炎(1〜5%未満)
間質性肺炎があらわれることがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状に十分に注意し、異常が認められた場合には、速やかに胸部レントゲン検査、胸部CT検査及び血液ガス検査等を実施し、本剤の投与を中止するとともにニューモシスティス・カリニ肺炎との鑑別診断(β-Dグルカンの測定等)を考慮に入れ適切な処置を行うこと。なお、間質性肺炎の既往歴のある患者には、定期的に問診を行うなど、注意すること。
7) 抗dsDNA抗体の陽性化を伴うループス様症候群(頻度不明(注10))
抗dsDNA抗体が陽性化し、関節痛、筋肉痛、皮疹等の症状があらわれることがある。このような場合には、投与を中止すること。
8) 肝機能障害(頻度不明(注10))
AST(GOT)、ALT(GPT)等の上昇を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
9) 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、多形紅斑(いずれも頻度不明(注10))
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、 中 毒性表皮壊 死症(Lyell症候群)、 多形紅斑があらわれることがあるので、 観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、 適切な処置を行うこと。
10) 抗好中球細胞質抗体(ANCA)陽性血管炎(頻度不明(注10))
抗好中球細胞質抗体(ANCA)陽性血管炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11) 急性腎不全、ネフローゼ症候群(いずれも頻度不明(注10))
急性腎不全、ネフローゼ症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
12) 心不全(頻度不明(注10))
心不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止する等の適切な処置を行うこと。

(2)その他の副作用
次のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと(頻度は国内の臨床試験の集計結果による)。
種類/頻度 5%以上 1〜5%未満 1%未満 頻度不明(注10)
呼吸器 感冒(50%以上)、上気道感染、咽頭炎、鼻漏、気管支炎、咳嗽、鼻炎 扁桃炎、喀痰、鼻閉、喘息 気管狭窄、気管支拡張症、気管支肺異形成症、血痰、副鼻腔炎、嗄声   
皮膚 発疹(湿疹、皮膚炎、紅斑等)(50%以上)、そう痒症、白癬、蕁麻疹 皮膚乾燥、脱毛、爪の異常、膿痂疹、爪感染、凍瘡 光線過敏症、色素性母斑、爪囲炎、胼胝 皮膚血管炎(白血球破粋性血管炎を含む)、乾癬、乾癬様皮疹、膿疱性乾癬
消化器 胃腸炎、腹痛、下痢、便秘、悪心、口内炎、嘔吐 咽喉頭疼痛、食欲不振、胃部不快感、齲歯、歯周炎、歯肉炎、口唇炎(口角炎等)、軟便、消化性潰瘍、咽頭不快感、腹部膨満、歯痛 口腔感染、歯の知覚過敏、歯髄炎、歯肉腫脹、舌苔、膵炎   
投与部位 注射部位反応(注11)(紅斑、出血斑、そう痒感、皮膚炎、疼痛、挫傷等)(50%以上)         
泌尿器 尿路感染(膀胱炎等)、尿沈渣、BUN増加 血尿、蛋白尿、残尿感、頻尿 クレアチニン上昇、腎結石、腎盂腎炎、尿糖   
精神
神経系
頭痛、浮動性めまい 感覚減退(しびれ感等)、不眠、眠気、手根管症候群 錯感覚(ピリピリ感等)、不安、味覚異常、嗅覚異常   
肝臓 ALT(GPT)上昇 AST(GOT)上昇、ALP上昇、LDH上昇、肝機能異常      
循環器    期外収縮、高血圧、血圧上昇、動悸 潮紅、頻脈   
血液 白血球増加、ヘモグロビン減少 ヘマトクリット減少、好酸球増加、貧血(鉄欠乏性を含む)、赤血球減少、白血球減少、リンパ球増加、血小板増加 血小板減少、好中球減少、好中球増加、赤血球形態異常、白血球分画異常、網状赤血球増加、血沈亢進   
結膜炎 麦粒腫、眼精疲労、眼乾燥、結膜充血、白内障、ブドウ膜炎 角膜潰瘍、眼のちらつき、眼の異常感、眼痛   
筋・骨格系    疼痛(四肢、腰、背部、臀部等)、筋痛、化膿性関節炎、関節痛、靭帯障害、肩こり 滑膜炎、関節脱臼、脊椎症 ループス様症候群(注12)
抵抗機構 インフルエンザ 帯状疱疹、膿瘍、創傷感染 化膿性リンパ節炎、蜂巣炎   
生殖器    月経不順 乳腺炎   
その他 出血、発熱、浮腫(局所性を含む)、胸痛 コレステロール上昇、胸部不快感、疲労、倦怠感、アルブミン減少、四肢不快感、気分不良、口渇、総蛋白増加、難聴、体重減少、中耳炎 CRP増加、総蛋白減少、脱水、脱力感 痙攣、自己抗体陽性(注12)

(注10) 自発報告あるいは海外からの報告
(注11) 注射部位反応は、投与開始から1カ月の間に高頻度で発現し、その後減少している。注射部位反応は、以前に注射した部位にもあらわれる可能性がある。
(注12) 「その他の注意」参照のこと。

5. 高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能(免疫機能等)が低下しているので、感染症等の副作用の発現に留意し、十分な観察を行うこと。

6. 妊婦、産婦、授乳婦等への投与

(1) 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
(2) 授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合は授乳を中止させること。[動物実験(ラット)で本剤の乳汁移行が認められている。]

7. 小児等への投与

4歳未満の幼児等に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。

8. 過量投与

ヒトにおける本剤の最大忍容量は確立されていない。内毒素血症試験において、健康被験者に60 mg/m2までを単回静脈内投与したところ、用量制限的な毒性はみられなかった。関節リウマチ患者における最高投与量は、初回投与量32 mg/m2の静脈内投与〔その後は皮下投与16 mg/m2(〜25 mg)を1週間に2回投与〕であった。
本剤の解毒薬は知られていない。

9. 適用上の注意

(1) 投与経路
皮下にのみ投与すること。
(2) 調製時
1) 日局注射用水1mLをゆっくりとバイアル内に注入する。内容物を泡立て過ぎないように注意し、ゆるやかに渦をまくように回しながら溶解すること。激しく振とうしないこと。本剤は完全に溶解するまで、数分から10分程度の時間を要する。
2) 溶解後は速やかに使用すること(なお、溶解後やむをえず保存する場合は、2〜8℃で保存し、6時間以内に使用すること)。
(3) 投与時
1) 注射部位を大腿部、腹部、上腕部等に求め、順序良く移動し、短期間に同一部位への反復注射は行わないこと。 新注射部位は、前回の注射部位から少なくとも3cm離すこと。
2) 皮膚が敏感なところ、挫傷のあるところ、発赤又は硬結しているところへの注射は避けること。

10. その他の注意

(1) 本剤の臨床試験は、国内では52週間(長期試験の投与期間3週〜112週の中央値)まで、海外では5年間までの期間で実施されており、これらの期間を超えた本剤の長期投与時の安全性は確立していない。
(2) 比較臨床試験において、抗核抗体陽性化(ANA)(≧1:40)、抗dsDNA抗体陽性化及び抗カルジオリピン抗体陽性化が認められた本剤投与患者の割合は、プラセボ群と比較して増加した。
また、リウマトイド因子陽性の関節リウマチ患者を含めて、臨床症状発現及び生検により、亜急性皮膚ループス又は円板状ループスにみられる発疹及びループス様症候群を伴う新たな自己抗体を発現した患者が報告されている。
(3) 海外において、本剤投与中の乾癬性関節炎患者では、肺炎球菌多糖体ワクチンに対して有効なB細胞免疫応答を得ることができたとの報告がある。しかし本剤を投与していない患者と比較すると、全体的にみて抗体価がやや低く、抗体価が2倍に達した患者は少なかった。この臨床的意義は不明である。
(4) 本剤をマウス、ラット等のげっ歯類に投与すると、中和抗体陽性化と薬理学的活性の消失が認められ、十分な暴露量が得られない。このため、がん原性試験は実施されていない。
(5) 本邦において、本剤と他の抗リウマチ薬との併用について、有効性及び安全性は確立されていない。
(6) 海外で敗血症性ショックの患者141例を対象に、プラセボ又は本剤0.15、0.45、1.5mg/kgを単回静脈内投与するプラセボ対照無作為二重盲検試験が実施された。それによると、本剤の投与では疾患の進行を妨げることができず、本剤投与群で用量の増加に伴い死亡率の上昇がみられた。主要評価項目である28日間死亡率は、プラセボ群で30%(10/33例)、本剤0.15mg/kg群で30 %(9/30例)、0.45 mg/kg群で48%(14/29例)、1.5mg/kg群で53%(26/49例)であった1)
(7) 海外でうっ血性心不全患者(NYHA心機能分類II〜IV)を対象とした2つのプラセボ対照無作為二重盲検試験が実施されたが、いずれも有効性が認められないことから早期に中止された(追跡期間中の中央値はそれぞれ、12.7ヵ月、5.7ヵ月であった)。最初の試験では、本剤25mg週2回群(308例)及び本剤25mg週3回群(308例)のいずれも、プラセボ群(309例)と比較して心不全の悪化及び死亡率が高い傾向にあった。投与後24週の心不全の悪化は、本剤25mg週2回群が89例(29%)、25mg週3回群が83例(27%)、プラセボ群が62例(20%)であった。また最終死亡例数は、本剤25mg週2回群が55例(18%)、25mg週3回群61例(20%)、プラセボ群が44例(14%)であった。2 番目の試験では、1123例が本剤 25mg週1 回群、本剤25mg週2 回群、又はプラセボ投与群のいずれかに割り付けられたが、心不全の悪化及び死亡において、本剤投与群とプラセボ群の間で差はみられなかった2)
なお、他の抗TNF療法においては、心不全症状の悪化及び死亡が、プラセボ群よりも高率に認められたとの報告がある3)
(8) 手術前後の本剤の投与について、安全性は確立されていない。

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【薬物動態】

1. 血中濃度
(1) 単回投与
1) 日本人における成績4)
8名の日本人健康成人男子に、エタネルセプト10mg及び25mgを単回皮下投与したときの血清中薬物濃度推移及び薬物動態パラメータを図1及び表1に示す。

血清中濃度推移
図1 エタネルセプト単回投与後の血清中薬物濃度推移

表1 薬物動態パラメータ(n=8)
   AUC0-480
(μg・hr/mL)
AUC0-∞
(μg・hr/mL)
Cmax
(ng /mL)
Tmax
(hr)
CL/F
(mL/hr)
t1/2
(hr)
10mgS.C. 76.5±33.4 78.6±33.7  474±230 43.5±19.2 153.1±73.5 87.6±18.1
25mgS.C. 222.3±91.9 227.3±91.9 1415±761 52.5±16.9 134.5±78.1 86.3±22.5
平均値±標準偏差

   さらに8名の健康成人男子に、50mgを単回皮下投与したときの結果から、エタネルセプトの薬物動態は良好な線形性を示した。
 2) 外国人における成績5)
米国の健康成人に、エタネルセプト10mg又は25mgを単回皮下投与したときの薬物動態パラメータは表2の通りで、日本人健康成人の値とほぼ同様であった。

表2 薬物動態パラメータ
   n AUC0-480
(μg・hr/mL)
AUC0-∞
(μg・hr/mL)
Cmax
(ng /mL)
Tmax
(hr)
CL/F
(mL/hr)
t1/2
(hr)
10mgS.C. 6 79.0 ±24.4 81.7 ±24.6 425±205 66 ±22 132± 41 92 ±8
25mgS.C. 26 241.7 ±76.0 245.2 ±76.6 1650±660 49 ±17 113.8± 42 72.1 ±13.6
平均値±標準偏差

(2) 反復投与
1) 関節リウマチ患者における成績
日本人関節リウマチ患者99名に10mg又は25mgのエタネルセプトを1週間に2回12週間皮下投与したときの血清中エタネルセプト濃度(トラフ値)は、投与開始1カ月後には定常状態に達し、以後ほぼ一定の濃度を維持しており、反復投与による薬物動態への影響はみられなかった(表3)。
2) 若年性特発性関節炎患者における成績 日本人若年性特発性関節炎患者13名に0.2mg/kg、21名に0.4mg/kgのエタネルセプトを1週間に2回12週間皮下投与したときの血清中エタネルセプト濃度(トラフ値)は、投与開始2週間後には定常状態に達し、以後ほぼ一定の濃度を維持しており、反復投与による薬物動態への影響はみられなかった(表3)。
0.2mg/kg又は0.4mg/kg投与における日本人若年性特発性関節炎患者の血清中エタネルセプト濃度のトラフ値の範囲は、それぞれ関節リウマチ患者の10mg及び25mg投与とほぼ同様であった。0.2mg/kg週2回投与におけるトラフ濃度は0.4mg/kg週2回投与のほぼ1/2であった。

表3 エタネルセプト反復投与における関節リウマチ患者及び若年性特発性関節炎患者の血清中エタネルセプト濃度(トラフ値)
   試験
(投与量)
血清中エタネルセプト濃度(トラフ値)(ng/mL)
2週評価日 4週評価日 8週評価日 12週評価日
関節リウマチ患者 202-JA
(10mg)
- 950±476
(48)
1017±572
(45)
982±415
(45)
202-JA
(25mg)
- 2221±1124
(48)
2447±993
(47)
2590±1000
(47)
若年性特発性
関節炎患者
208-JA
(0.2mg/kg)
1299±449
(13)
1005±723
(12)
1057±481
(12)
1183±442
(11)
204
(0.4mg/kg)
2941±875
(21)
2217±1169
(21)
2871±1052
(20)
3269±1265
(21)
(平均値±標準偏差 (n))
2. 代謝・排泄
エタネルセプトがTNFに結合すると、複合体はアミノ酸の再循環又は胆汁及び尿への排泄のいずれかによってペプチド経路及びアミノ酸経路を通じて代謝されると推察される。
なお、エタネルセプトを単回皮下投与した場合、エタネルセプトの尿中への排泄はほとんど認められなかった。

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【臨床成績】

1.国内臨床試験

(1) 関節リウマチ(第II相用量反応試験)
DMARD無効の関節リウマチ患者を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験(有効性解析対象症例数147例)における12週評価日の「ACR改善基準による有効率(ACR20)(注13)」を、表4に示す。本剤投与群におけるACR20は、各々プラセボ群に比較し有意に高かった。

表4 12週評価日のACR20
投与量(×2/週) プラセボ 10mg 25mg
ACR20(注13)
[改善基準に達した症例数/総症例数]
6.3%
[3 /48]
64.0%
[32/50]
65.3%
[32/49]
(注13) ACRコアセットのうち、総疼痛関節数及び総腫脹関節数がともに20%以上改善し、かつ残りの5項目中3項目が20%以上改善した症例の割合

(2) 若年性特発性関節炎患者
メトトレキサートに抵抗性を示す又は忍容性不良である活動性の多関節型若年性特発性関節炎患者(5〜17歳)を対象としたオープン試験における12週評価日の「ACR改善基準による有効率(JRA30%DOI)(注14)」を、表5に示す。

表5 12週評価日のJRA30%DOI
投与量(×2/週) 208-JA試験
0.2 mg/kg
204試験0.4mg/kg
JRA30%DOI(注14)
[改善基準に達した症例数/総症例数]
92.3%
[12/13]
90.9%
[20/22]
(注14) JRA30%DOIを達成したと判断するには、以下の2項目全てを満たす必要がある:
1.JRAコアセット6項目中3項目以上でベースラインから30%以上の改善が認められる
2.JRAコアセットの評価項目におけるベースラインからの30%以上の悪化が6項目中1項目までであること

2.海外(米国)臨床試験

(1) 関節リウマチ
1) 第II相用量反応試験6)
DMARDの効果が減弱した活動性関節リウマチ患者を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験(有効性解析対象症例数180例)において、投与開始85日後のACR20を表6に示す。有効性と投与用量との間に相関性が認められ、本剤16 mg/m2群のACR20は他群と比較して有意に高かった。

表6 投与開始85日後のACR20
体表面積あたり
投与量(×2/週)
プラセボ 0.25
mg/m2
2
mg/m2
16
mg/m2
症例数 44 46 46 44
ACR20(注13) 14% 33% 46% 75%
(注13) ACRコアセットのうち、総疼痛関節数及び総腫脹関節数がともに20%以上改善し、かつ残りの5項目中3項目が20%以上改善した症例の割合

2) 第III相二重盲検比較試験7)
DMARDの効果が減弱した活動性関節リウマチ患者を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験(有効性解析対象症例数229例)において、投与開始2週、3ヵ月及び6ヵ月後のACR20を表7に示す。本剤投与群のACR20は2週、3ヵ月及び6ヵ月後のいずれにおいても、プラセボ群に比して有意に高く、2週間後から効果の発現が認められた。

表7 投与開始2週、3カ月、6カ月後のACR20
投与量(×2/週) プラセボ 10mg 25mg
症例数 79 73 77
ACR20(注13) 2週 1% 18% 31%
3ヵ月 23% 47% 62%
6ヵ月 11% 53% 60%
(注13) ACRコアセットのうち,総疼痛関節数及び総腫脹関節数がともに20%以上改善し,かつ残りの5項目中3項目が20%以上改善した症例の割合

(2) 若年性特発性関節炎患者8)
メトトレキサートに抵抗性を示す又は忍容性不良である活動性の多関節型若年性特発性関節炎患者(4〜17歳)を対象にエタネルセプトの有効性を検討した。
パート1:
   オープン試験における12週評価日の「ACR改善基準による有効率(JRA30%DOI)(注14)」を、表8に示す。

表8 12週評価日のJRA30%DOI
投与量(×2/週) 0.4mg/kg
JRA30%DOI(注14)
[改善基準に達した症例数/総症例数]
74%
[51/69]
(注14) JRA30%DOIを達成したと判断するには、以下の2項目全てを満たす必要がある:
1.JRAコアセット6項目中3項目以上でベースラインから30%以上の改善が認められる
2.JRAコアセットの評価項目におけるベースラインからの30%以上の悪化が6項目中1項目までであること

パート2:
   パート 1でレスポンダーと判定された被験者(JRA30%DOIの基準を満たした被験者51例)を対象に、エタネルセプト0.4 mg/kgの週2回皮下投与をプラセボ投与(最大210日間)に切り替えたときの「ACR改善基準による有効率(JRA30%DOI)(注14)」を、表9に示す。本剤投与群ではプラセボ群に比較し効果の持続性が認められた。

表9 投与後210日までのJRA30%DOI
投与量(×2/週) プラセボ 0.4mg/kg
JRA30%DOI(注14)
[改善基準に達した症例数/総症例数]
35%
[9/26]
80%
[20/25]
(注14) JRA30%DOIを達成したと判断するには、以下の2項目全てを満たす必要がある:
1.JRAコアセット6項目中3項目以上でベースラインから30%以上の改善が認められる
2.JRAコアセットの評価項目におけるベースラインからの30%以上の悪化が6項目中1項目までであること

3.海外臨床試験における悪性腫瘍発現頻度

米国におけるDMARD無効関節リウマチ患者を対象とした長期試験での5年間の安全性報告において、本剤を投与した783例のうち、悪性リンパ腫、乳癌、肺癌、前立腺癌、黒色腫等が26例、非黒色腫皮膚癌が15例報告されている。

(1) 悪性腫瘍(非黒色腫皮膚癌は除く)
本剤投与と悪性腫瘍発現との関連性を検討するため、実際に悪性腫瘍が観察された例数と一般集団の大規模データベースから推定した予測例数を表1に示した。これらの予測例数は、症例毎の性、年齢をもとにNational Cancer Institute SEER(Surveillance, Epidemiology, and End Results)データベース(SEER1992〜1999年;2002年4月版)から推定した値を用いた。
その結果、本剤投与群での非黒色腫皮膚癌を除く悪性腫瘍の観察例数は、予測例数23.594例に対し26例であり、そのうち悪性リンパ腫の観察例数は、予測例数0.914例に対し5例であった。一方、プラセボ投与群における悪性腫瘍及び悪性リンパ腫の観察例数は、それぞれ予測例数0.259例、0.010例に対して0例であった。

表10 悪性腫瘍(非黒色腫皮膚癌を除く)の観察例数及び予測例数
   プラセボ投与群(注15)(注16) エンブレル投与群(注16)
全例の
追跡期間
(人・年)
悪性腫瘍 全例の
追跡期間
(人・年)
悪性腫瘍
観察
例数
予測
例数
観察
例数
予測
例数
悪性リンパ腫 41 0 0.010 2855 5 0.914
悪性リンパ腫以外 41 0 0.249 2855 21 22.680
悪性腫瘍合計 41 0 0.259 2855 26 23.594
(注15) 長期試験移行前の臨床試験におけるプラセボ投与患者を対象とした。
(注16) メトトレキサート併用例を含む。

(2) 非黒色腫皮膚癌
本剤投与と非黒色腫皮膚癌発現との関連性を検討するため、実際にこれらの癌が観察された例数と一般集団のデータから推定した予測例数を表7に示した。これらの予測例数は、症例毎の性、年齢をもとに参照データから推定した値を用いた。なお参照データは、非黒色腫皮膚癌がNational Cancer Institute SEERデータベースに含まれていないため、Southeastern Arizona Skin Cancer Registry (Harris et al, 2001)の データを使用した。
その結果、本剤投与群での非黒色腫皮膚癌の観察例数は、予測例数41.745例に対し、15例(皮膚扁平上皮癌4例、基底細胞癌11例)であった。一方、プラセボ投与群における非黒色腫皮膚癌の観察例数は、予測例数0.573例に対し、0例であった。

表11 非黒色腫皮膚癌の観察例数及び予測例数
   プラセボ投与群(注15)(注16) エンブレル投与群(注16)
全例の
追跡期間
(人・年)
悪性腫瘍 全例の
追跡期間
(人・年)
悪性腫瘍
観察
例数
予測
例数
観察
例数
予測
例数
皮膚扁平上皮癌 41 0 0.107 2618 4 8.221
基底細胞癌 41 0 0.466 2618 11 33.524
非黒色腫皮膚癌合計 41 0 0. 573 2618 15 41.745
(注15) 長期試験移行前の臨床試験におけるプラセボ投与患者を対象とした。
(注16) メトトレキサート併用例を含む。

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【薬効薬理】

1. 関節炎抑制作用

(1) ラット抗原誘発関節炎モデル
エタネルセプトはラット抗原誘発関節炎モデルに対して、5μg /joint以上の関節内投与により膝関節腫脹を抑制し、関節炎スコアを改善した。
(2) マウスII型コラーゲン関節炎モデル
エタネルセプトはトリII型コラーゲン関節炎モデルに対して、1μg/body以上の腹腔内投与により関節炎発症抑制効果を示した。また、150μg/bodyの腹腔内投与により関節炎及び軟骨破壊のスコアを改善した。ウシII型コラーゲン関節炎モデルに対しては、50μg/bodyの腹腔内投与により、関節炎及び血清中抗II型コラーゲン抗体価を抑制した。ブタII型コラーゲン関節炎モデルに対しても、10μg/bodyの腹腔内投与により、関節炎発症率を抑制した。

2. 作用機序

本剤は、ヒトTNF可溶性レセプター部分が、過剰に産生されたTNFα及びLTαを、おとりレセプターとして捕捉し(レセプター結合反応)、細胞表面のレセプターとの結合を阻害することで、抗リウマチ作用、抗炎症作用を発揮すると考えられている。なお、本剤とTNFα及びLTαとの結合は可逆的であり、いったん捕捉したTNFα及びLTαは再び遊離される。エタネルセプトはU937細胞表面のTNF受容体に対するTNFの結合を阻害した(解離定数(Ki)=1×10-10M)。

3. TNFファミリーに対する結合親和性

エタネルセプトはTNFα及びLTαのいずれに対しても結合親和性を有するが、LTβに対する結合親和性は持たない。

4. TNFの細胞傷害に対する抑制作用 (in vitro )

L929細胞のTNF誘発細胞傷害に対して、エタネルセプトは10 ng/mL以上の濃度で生細胞数の減少を抑制した。

5. IL-1α併用TNF誘発致死に対する抑制作用 (in vivo )

マウスのIL-1α(30μg/body) 併用TNF(3μg/body)誘発致死に対して、エタネルセプトは30μg/body以上の静脈内投与により致死抑制作用を示した。

6. 細胞傷害活性 (in vitro )

エタネルセプトは補体依存性の細胞傷害活性を誘導しなかった。

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【有効成分に関する理化学的知見】

一般名:  エタネルセプト(遺伝子組換え)
Etanercept (genetical recombination)
化学名:  1-235-Tumor necrosis factor receptor (human) fusion protein with 236 - 467 - immunoglobulin G1 (human γ1-chain Fc fragment), dimer
本 質:  チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)を利用した遺伝子組換えにより産生された、ヒトIgG1のFc領域と分子量75kDa(p75)のヒト腫瘍壊死因子II型受容体(TNFR-II)の細胞外ドメインのサブユニット二量体からなる糖蛋白質。
分子量:  約150,000
総アミノ酸数:  934個

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【承認条件】

関節リウマチ

1. 本剤10mg及び25mg投与時の関節破壊の進展防止効果、安全性等を確認するため、適切な対照群をおいた長期(1年以上)にわたる二重盲検比較臨床試験を実施して、その結果を速やかに報告し、用法・用量の適切性について検討すること。
2. 大規模な市販後調査を実施し、本剤の安全性について十分に検討するとともに、長期投与時の安全性、結核をはじめとする感染症等の発現については、より重点的に検討すること。
3. 自己投与については、有効性が確認され、安全性上も問題がないと判断できる患者に対してのみ実施されるよう、適切な措置を講じること。

多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎

製造販売後、一定数の症例に係るデータが蓄積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。

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【包  装】

〔バイアル〕10mg×4
〔バイアル〕25mg×4

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【主要文献及び文献請求先】

1) Fisher,C.J.,et al.:N.Engl.J.Med.,334:1697(1996)
2) Mann,D.L.,et al.:Circulation,109:1594(2004)
3) Chung,E.S.,et al.:Circulation,107:3133(2003)
4) Kawai,S.,et al.:J.Clin.Pharmacol.,46:418(2006)
5) Korth-Bradley,J.,et al.:Ann. Pharmacother.,34:161(2000)
6) Moreland,L.W.,et al.:N.Engl.J.Med.,337:141(1997)
7) Moreland,L.W.,et al.:Ann.Intern.Med.,130:478(1999)
8) Lovell D.J.,et al.:N.Engl.J.Med.,342:763(2000)

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【文献請求先】

ワイス株式会社
ワイスくすりの情報室
〒141-0032  東京都品川区大崎一丁目2番2号
TEL  0120-007013,03-5759-8720

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製造販売元

ワイス株式会社
〒141-0032  東京都品川区大崎一丁目2番2号

販売

武田薬品工業株式会社
〒540-8645 大阪市中央区道修町四丁目1番1号



Last updated:2009/12 


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