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アクトス錠15・30


アクトス錠15・30の「使用上の注意」解説は作成時点(2005年3月)のものです。
以下の「使用上の注意」改訂(PDFファイル)をクリックすると該当する改訂内容がご覧いただけます。

2007年(平成19年)11月「使用上の注意」改訂のお知らせ
2006年(平成18年) 8月「使用上の注意」改訂のお知らせ
2005年(平成17年)11月「使用上の注意」改訂のお知らせ
2005年(平成17年) 8月「使用上の注意」改訂のお知らせ



「使用上の注意」解説

PART I:重大な副作用の解説
(心不全、浮腫、肝機能障害、低血糖について)

1. 重大な副作用  −心不全、浮腫について−

承認時までの臨床試験成績  //  市販後調査
心不全、浮腫についてご留意いただきたい点

2. 重大な副作用  −肝機能障害について−

承認時までの臨床試験成績 // 毒性試験 // 市販後調査
肝機能障害についてご留意いただきたい点

3. 重大な副作用  −低血糖について−

低血糖についてご留意いただきたい点

PART II:項目ごとの解説

1.効能・効果に関連する使用上の注意 // 2.用法・用量に関連する使用上の注意 // 3.禁忌 // 4.慎重投与 // 5.重要な基本的注意 // 6.相互作用 // 7.副作用 // (1)重大な副作用 // (2)その他の副作用 // 8.高齢者への投与 // 9.妊婦、産婦、授乳婦等への投与 // 10.小児等への投与 // 11.適用上の注意 // 12.その他の注意


1.重大な副作用  ―心不全、浮腫について―

心不全、浮腫に関する使用上の注意事項

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
  
(1) 心不全の患者及び心不全の既往歴のある患者[動物試験において循環血漿量の増加に伴う代償性の変化と考えられる心重量の増加がみられており、また、臨床的にも心不全を増悪あるいは発症したとの報告がある。]

〈用法・用量に関連する使用上の注意〉

1. 浮腫が比較的女性に多く報告されているので、女性に投与する場合は、浮腫の発現に留意し、1日1回15mgから投与を開始することが望ましい。
2. 1日1回30mgから45mgに増量した後に浮腫が発現した例が多くみられているので、45mgに増量する場合には、浮腫の発現に留意すること
3. 一般に高齢者では生理機能が低下しているので、1日1回15mgから投与を開始することが望ましい。

1.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)

(1)

次に掲げる患者又は状態

   1) 心不全発症のおそれのある心筋梗塞、狭心症、心筋症、高血圧性心疾患等の心疾患のある患者[循環血漿量の増加により心不全を発症させるおそれがある。](「重要な基本的注意」、「重大な副作用」参照)

2.重要な基本的注意

(1) 循環血漿量の増加によると考えられる浮腫が短期間に発現し、また心不全が増悪あるいは発症することがあるので、下記の点に留意すること。(【禁忌】、「慎重投与」参照)
  
1) 心不全の患者及び心不全の既往歴のある患者には投与しないこと。
2) 投与中は観察を十分に行い、浮腫、急激な体重増加、心不全症状等がみられた場合には投与中止、ループ利尿剤(フロセミド等)の投与等適切な処置を行うこと。
3) 服用中の浮腫、急激な体重増加、症状の変化に注意し、異常がみられた場合には直ちに本剤の服用を中止し、受診するよう患者を指導すること。
(2) 心電図異常や心胸比増大があらわれることがあるので、定期的に心電図検査を行うなど十分に観察し、異常が認められた場合には投与を一時中止するかあるいは減量するなど慎重に投与すること。(「その他の副作用」参照)

4.副作用

(1) 重大な副作用
   1) 心不全が増悪あるいは発症することがあるので、投与中は観察を十分に行い、浮腫、急激な体重増加、心不全症状・徴候(息切れ、動悸、心胸比増大、胸水等)がみられた場合には投与を中止し、ループ利尿剤等を投与するなど適切な処置を行うこと。特に心不全発症のおそれのある心疾患の患者には注意すること。(「慎重投与」、「重要な基本的注意」の項参照)
   2) 循環血漿量の増加によると考えられる浮腫(7.6%、93/1,225例)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、浮腫が認められた場合には、減量あるいは中止するなど適切な処置を行うこと。これらの処置によっても症状が改善しない場合には、必要に応じてループ利尿剤(フロセミド等)の投与等を考慮すること。なお、浮腫は、男性では3.9%(24/610例)、女性では11.2%(69/615例)と、女性に多くみられている。また、本剤を1日1回30mgから45mgに増量した後にはじめて浮腫が発現した例が9.4%(9/96例)に認められている。(〈用法・用量に関連する使用上の注意〉の項参照
浮腫の発現頻度は、糖尿病性網膜症合併例で9.1%(34/373例)、糖尿病性神経障害合併例で10.2%(31/304例)、糖尿病性腎症合併例で10.0%(25/251例)であり、糖尿病性合併症発症例は非発症例に比べ高い傾向にあるので、これらの症例にあっては浮腫の発現に特に留意すること。
     
(2) その他の副作用
     
   5 %以上 0.1〜5%未満 0.1%未満
2)循環器    血圧上昇、心胸比増大注3)心電図異常注3)
動悸、胸部圧迫感、顔面潮紅
  

注3)「重要な基本的注意(2)」参照

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(1)承認時までの臨床試験成績

国内の臨床試験では1,225例中93例(7.6%)に浮腫(むくみ)がみられています。程度が高度と判定されたのは1例のみで全例消失・軽快しています。
本剤により浮腫の発現する機序としては、本剤がインスリン作用を増強することにより、腎尿細管でのNaの再吸収を亢進し、循環血漿量を増加させることが考えられます。したがって、処置としては本剤の中止・減量・休薬の他に、Naの再吸収を抑えるフロセミド等のループ利尿剤が有効であると考えられます。この循環血漿量の増加は、本剤投与中にみられる軽度の貧血傾向の原因でもあり、また、心臓にも影響を及ぼす可能性があります。
表イ-1に示すとおり、循環器系の副作用発現は浮腫の有無別で特に差はみられていませんが、表イ-2に示すような、本剤投与による血漿量の増加が浮腫および心胸郭係数の上昇をもたらした可能性が考えられる症例も報告されている点には注意が必要です。
浮腫発現の有無で臨床検査値を比較したところ、浮腫発現例では非発現例と比べ発現直前で有意にヘモグロビン量、総蛋白、アルブミンの低下及びClの上昇等がみられ、発現直後では有意に拡張期血圧の上昇、赤血球数、ヘモグロビン量、ヘマトクリット値、血小板数、総蛋白の低下およびClの上昇などがみられています(表イ-3)。

表イ-1  浮腫発現の有無別の心臓関連副作用発現状況

症    状 例数(%) 浮腫の発現
あり なし
動  悸 5(0.4) 0 5
胸部圧迫感 1(0.1) 0 1
頻  脈 1(0.1) 0 1
胸 痛 1(0.1) 0 1
呼吸困難 2(0.2) 1 1

 

検査値異常 前後実施例数 例数(%) 浮腫の発現
あり なし
心電図異常 502 10(2.0) 2 8
心エコー像異常 211 3(1.4) 1 2
心拡大 464 7(1.5) 2 5

 

(承認時資料集計:2002年6月)

表イ-2  浮腫および心胸郭係数上昇発現例


年齢
投与目的
(合併症)
1 日
投与量
副作用の経過・処置 転帰

50代
2型糖尿病
(肝機能障害)
30mg 投与4日目頃より上半身のむくみ感があり次第に増強。発現11日目頃より顔のむくみも出現し、他人から浮腫を指摘される。発現25日目の受診時には手背、下腿、足背にも浮腫を認め本剤中止。中止後、顔、手足のむくみは徐々に改善。中止29日目の受診時にはむくみはほぼ消失。

心胸郭係数   
   投与前55日    投与28日    追跡141日
   0.482    0.538    0.489
主治医のコメント
  本剤との因果関係は多分関連あり
消失
併用薬 グリベンクラミド

表イ-3  浮腫発現例・非発現例の臨床検査値の変化量

検査項目 浮腫非発現例 浮腫発現例
投与前後 投与前と浮腫発現直前 投与前と浮腫発現直後
項目 単位 変化量 例数 変化量 例数 検定
結果
変化量 例数 検定
結果
収縮期血圧 mmHg -1.175±15.193 1064 -1.627±14.046 67 NS 1.408±15.401 76 NS
拡張期血圧 mmHg -1.719±9.336 1064 -0.149±8.536 67 NS 0.303±8.172 76 *
赤血球数 104/mm3 -14.916±29.205 1044 -22.136±28.897 66 NS -24.176±27.178 74 **
ヘモグロビン量 g/dL -0.427±0.853 1045 -0.702±0.877 66 * -0.732±0.767 74 **
ヘマトクリット値 % -0.897±2.771 1045 -1.432±3.065 66 NS -1.680±2.848 74 *
血小板数 104/mm3 -0.208±3.755 1044 -1.017±3.942 66 NS -1.215±3.271 74 *
総蛋白 g/dL -0.066±0.405 1069 -0.208±0.382 66 ** -0.175±0.387 77 *
アルブミン g/dL -0.036±0.283 1051 -0.111±0.266 65 * -0.060±0.268 76 NS
Cl mEq/L 0.329±2.935 1064 1.373±3.113 67 ** 1.158±2.810 76 *
体重 kg 1.164±1.983 1078 2.144±2.036 68 ** 2.358±2.017 78 **
注1) 検定は浮腫発現例、非発現例の臨床検査値の変化量を比較してF検定がp≦0.2のときは、(Welchの)2標本t検定(分散の異なる)を使用、それ以外は2標本t検定(分散の等しい)を使用。
注2) 検定結果  **:p≦0.01, *:p≦0.05, NS:p>0.05
注3) 発現直前:浮腫発現日に最も近い前の検査日の値、発現直後:浮腫発現日に最も近い後の検査日の値

(承認時資料集計:1999年9月)

米国で実施されたプラセボとの比較試験*においては、下表のとおり、他の糖尿病用薬の併用の有無にかかわらず、本剤を併用した場合に浮腫の発現率が高くなりました。

各治療群の投与薬剤 浮腫の発現率
プラセボ vs アクトス 1.2% vs 4.8%
SU剤+プラセボ vs SU剤+アクトス 2.1% vs 7.2%
メトホルミン+プラセボ vs メトホルミン+アクトス 2.5% vs 6.0%
インスリン+プラセボ vs インスリン+アクトス 7.0% vs 15.3%

* 米国添付文書より

なお、インスリン療法中にも一過性に浮腫が生ずることがあることが一般的に知られています(インスリン浮腫)。

インスリン浮腫

著しい高血糖の新患患者にインスリン療法を開始した際や、長期間慢性の高血糖があって、より強力なインスリン療法に切り替えた時など、過去しばらくの間コントロール不良であった患者が急に良好なコントロール状態になった際に末梢に浮腫が生じることがある。これをインスリン浮腫と呼ぶが、これらは足、足首などのみに限局するが、時には、顔面や眼周囲の腫脹を伴い全身性の浮腫を伴うこともある。うっ血性心不全の報告もあるが、顕性の身体的兆候を伴わず、一過性の体重増加という形で生じるのがより一般的である。浮腫や体液貯留は心疾患や腎疾患の基礎疾患がなければ数日後には消失する。

(C. RONALD  KAHN et al., JOSLIN'S DIABETES MELLITUS 13th Edition, p480, 1994)


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(2)市販後調査

アクトス投与中の心不全の発現は承認時までの臨床試験では認められていませんでしたが、動物試験において循環血漿量の増加に伴う代償性の変化と考えられる心重量の増加がみられたこと、市販後でも本剤との因果関係を否定できない心不全の報告が国内で5例報告されたことから、「心不全あるいは心不全の既往のある患者」を禁忌とし、「心不全発症のおそれのある心筋梗塞、狭心症、心筋症、高血圧性心疾患等の心疾患のある患者」を慎重投与とし、さらに患者への指導を重要な基本的注意に加えるなど「使用上の注意」を改訂するとともに、アクトス投与中の急激な水分貯留による心不全について「緊急安全性情報」を配布しました。(平成12年10月)
その後の数年間に心不全の診断を伴わない「胸水」の症例が集積しました。これらの症例は、本剤以外の要因による胸水と考えられた症例等を除けば、いずれの症例も浮腫や体重増加等の循環血漿量増加を示す症状・徴候を随伴しており、循環血漿量の増加が心不全にいたる経過において胸水としてあらわれたものと考えられたことから、すでに「その他の副作用」にある息切れ、動悸、心胸比増大とともに胸水を具体的な心不全の症状・徴候として「重大な副作用」の項に追記しました。(平成16年8月)

緊急安全性情報に掲載した市販後に国内から報告された心不全の症例の概要を紹介します。

また、心不全および浮腫を防止するためのチェックポイントと対策をまとめましたので、ご参照ください。

「インスリン製剤と本剤の併用」並びに「α-グルコシダーゼ阻害剤、スルホニルウレア剤及び本剤の3剤併用」は承認されていません。


<症例の概要>

No.

年齢
投与目的
(合併症)
1 日投与量
投与期間

副作用の経過・処置

転帰
No.1

60代

糖尿病
(うっ血性心不全[拡張型心筋症の疑い])
(心室頻拍)
(洞不全症候群)
(完全房室ブロック)
(永久ペースメーカー植込後)

  

30mg×28日
   うっ血性心不全増悪、下腿浮腫、労作時息切れ、体重増加、心胸郭比増大、左胸水
41日前: 心室頻拍コントロール入院中であったが、退院し、以後外来通院。体重52kg。
投与開始日: 外来受診の際には自覚症状がなく、体重51kg。本剤投与開始。
2-3週間後: 下腿浮腫著明。労作時息切れ増強。
28日後: 受診。体重60kgに増加。胸部レントゲン上、心胸郭比増大、左胸水を認め、本剤投与中止。入院勧めるも患者の希望によりフロセミド投与し経過観察。
35日後: 外来受診。うっ血の改善なく、労作時息切れも不変のため、入院。体重59kg。
塩酸ドパミン(600mg/200mL:3mL/hr)、カルペリチド(4000μg/日)点滴、フロセミド(20mg) 静注投与開始。順調に利尿つき1-2kg/日の体重減少あり。フロセミド静注は1日のみで終了し、経口投与は継続。
41日後: 塩酸ドパミン投与中止。体重52.2kg。下腿浮腫軽快。心拡大、胸水不変。カルペリチド点滴、フロセミド経口は継続。
42日後: フロセミド減量(40mg→20mg)
45日後: 体重52-53kgと軽快。下腿浮腫はわずかに残存。胸部レントゲン上、改善なし。ペースメーカーの心室rateを50bpmから60bpmに増加。カルペリチド増量(8000μg/日)し、経過観察。
46日後: その後うっ血性心不全の憎悪は軽快。

   153日前 36日後 45日後
EF  (%) 61 - -
CTR  (%) 66 76 76
BNP  (pg/mL) 362.8 436.9 442.6
hANP  (pg/mL) 73.3 69.4 79.6

  

軽快
併用薬 グリベンクラミド(3年前〜継続中)、マレイン酸エナラプリル(3年前〜継続中)、塩酸アミオダロン(2ヶ月前〜継続中)
No.2

60代

糖尿病
(高血圧)
(高脂圧症)
(狭心症)

  

30mg×26日
   心不全、全身浮腫、体重増加、呼吸困難
2年前: 労作時前胸部圧迫感発現。マスターダブル負荷心電図実施し、陽性であったので他院(循環器内科)紹介。
心臓血管造影をすすめられたが、患者は強く拒否。硝酸イソソルビド、ニコランジル、ニトログリンセン開始し、以後労作時圧迫感は軽減。
投与開始日: 外来でコントロールしていたが、食後2時間血糖が200-250mg/dLと高値のため、本剤投与開始。
26日後: 全身浮腫を訴え来院。体重増加(26日間で56.5→61kg)を認める。本剤投与中止(15日目から3日間休薬されていた)
27日後:
14:00 入院加療となる。独歩入院。マルトース加乳酸リンゲル+強力ネオミノファーゲンシー点滴開始(1.5hrかけて約500mLを滴下)。
16:30 輸液終了前フロセミド筋注投与。
17:10 突然呼吸困難を訴える(心不全)。酸素飽和度73%、血圧169/88mmHg。胸部レントゲンにて両側胸水貯留を認める。利尿剤投与。酸素4L吸入施行。ヒト脳性ナトリウムペプチド343.8(基準値<18.4)と著明に増加。膀胱導尿バルーン留置。
19:00 1500mLの排尿をえる。酸素5L経鼻下に酸素飽和度97%と改善するも、ルームエアー下では88%〜90%と低下。
33日後: 軽快。その後、症状の再発を認めず。
軽快
併用薬 ニフェジピン、シンバスタチン、硝酸イソソルビド、グリベンクラミド、ボグリボース(いずれも2年前から服用し、本剤中止後も継続)
No.3

80代

糖尿病
(労作性狭心症[PTCA]術後)
(洞機能不全[ペースメーカー植込後])
(心房細動)
(閉塞性動脈硬化症)

既往歴:
骨関節症(右膝人工関節)

  

30mg×25日
   うっ血性心不全、体重増加、呼吸苦、動悸、胸水、心胸郭比増大、下肢浮腫
   以前より糖尿病を認めていた。
約2年前: 労作性狭心症、閉塞性動脈硬化症を認める。
1年半前: 心臓血管造影にてRCA #1:90%、LAD #6:90%、#12:90%。労作性狭心症に対し、経皮経管的冠血管形成術施行。 #6:90%→0%、#12:90%→0%。ステント施行(2.5mm)。
2ヶ月前: 洞機能不全症候群、心房細動を認める。
42日前: 心臓血管造影にてRCA #1:70%、#2:75%、D #9-2:71%、EF 62%。再狭窄ないことを確認、EF良好(RCAの1枝病変) 。
40日前: 洞機能不全に対し、ペースメーカー(VVI)植込術施行。
投与開始日: 近医にて本剤投与開始(30mg/日、分2)
不明: 体重増加、労作時呼吸苦、動悸出現。
21日後: 近医受診し、アテノロール投与開始するもその後症状改善せず。
25日後: 当院受診。胸部レントゲン上、うっ血、胸水(少量)、心胸郭比増大、下肢浮腫、呼吸苦も認め、うっ血性心不全の診断で入院。本剤、アテノロール投与中止。フロセミド(20mg)静注投与で速やかに改善。

その後うっ血性心不全は軽快。

軽快
併用薬 アテノロール(本剤開始3週間後〜同時中止)、塩酸イミダプリル、ベシル酸アムロジピン、アスピリンダイアルミネート、ファモチジン、カルパマゼビン、プロチゾラム、プラバスタチンナトリウム、ワルファリンカリウム(他の併用薬の投与期間はいずれも不明)

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心不全および浮腫についてご留意いただきたい点

循環血漿量の増加によると考えられる浮腫が短期間に発現し、また心不全が増悪あるいは発症することがあるので、下記の点にご注意ください。

投与開始前の
チェックポイント
患者さんに心疾患はありますか?
心不全を増悪あるいは発症したとの報告がありますので、心不全および心不全の既往歴のある患者さんには投与しないでください。循環血漿量の増加により心不全を発症させるおそれがありますので、心筋梗塞、狭心症、心筋症、高血圧性心疾患等の心疾患のある患者さんには、投与の必要性を十分に見極め、また、1日1回15mgから投与を開始するなど慎重に投与してください
  
患者さんは高齢者ですか?
心不全を増悪あるいは発症したとの報告例には高齢者が多いこと、また、一般に高齢者では生理機能が低下しているので、1日1回15mgから投与を開始するなど、浮腫、心不全の発現に留意し、経過を十分に観察しながら慎重に投与してください
  
患者さんは女性ですか?
浮腫の発現には性差がみられることから、女性では1日1回15mgからの投与が望まれます(図1、2)。 また、男性においても、慎重投与対象や浮腫、急激な体重増加、心不全症状等の発現が懸念される場合には1日1回15mgからの投与の開始を考慮するなど、慎重に投与してください。
  
患者さんに糖尿病性合併症はありますか?
糖尿病性合併症がある場合は特に浮腫の発現にご留意ください。
浮腫の発現頻度は、糖尿病性網膜症合併例で9.1%(34/373例)、糖尿病性神経障害合併例で10.2%(31/304例)、糖尿病性腎症合併例で10.0%(25/251例)であり、糖尿病性合併症発症例は非発症例に比べ高い傾向にあります。
投与中の
チェックポイント
浮腫が発現していませんか? 体重が急に増えていませんか?
投与中は観察を十分に行い、浮腫、急激な体重増加、心不全症状・徴候(息切れ、動悸、心胸比増大、胸水等)がみられた場合には投与中止、ループ利尿薬(フロセミド等)の投与等の処置を行ってください。
患者さんには、服用中の浮腫、急激な体重増加、症状の変化に注意させ、異常がみられた場合には直ちに本剤の服用を中止し、受診するように十分な指導を行ってください。

また、循環血漿量の増加による心臓への容量負荷の結果、心電図異常や心胸比増大があらわれることがありますので、定期的に心電図検査、胸部X線検査等を行うなど十分に観察を行ってください
なお、承認時までの臨床試験でみられた浮腫の発現時期および部位は図3、4のとおりです。
  
1日1回45mgへ増量されますか?
長期投与試験中に1日1回30mgから45mgに増量した例において増量した後にはじめて浮腫が発現した例が9.4%(9/96例)にみられています。45mgへの増量にあたっては浮腫の発現にご留意ください
異常発現時
の対策
浮腫、急激な体重増加がみられた場合
(1)心不全症状・徴候(息切れ、動悸、心胸比増大、胸水等)もみられた場合には、本剤の投与を中止し、適切に治療を行うとともに、慎重に経過を観察してください。
(2)心不全の症状・徴候はみられず、心不全を否定することができた場合は、他要因の可能性、かつ利尿剤の併用や本剤の減量、他剤への変更等を考慮してください。
なお、承認時までの臨床試験でみられた浮腫発現例の処置および転帰は図5のとおりです。

図1. 浮腫発現頻度の性差

図1. 浮腫発現頻度の性差

図2. 用量別の浮腫発現頻度と効果(女性)

図2. 用量別の浮腫発現頻度と効果(女性)

(承認時資料集計:1999年9月)

図3. 浮腫発現時期  93例

図3. 浮腫発現時期  82例

図4. 浮腫発現部位(重複)  93例

図4. 浮腫発現部位(重複)  82例

図5. 浮腫に対する処置および転帰

図5. 浮腫に対する処置および転帰

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Last updated:2007/11  


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