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リュープリン注射用3.75・1.88
添付文書情報
禁忌組成・性状効能・効果用法・用量使用上の注意薬物動態臨床成績薬効薬理有効成分に関する理化学的知見包  装主要文献文献請求先PDFファイル版
※PDFファイルをご覧になる場合はAdobe社のAcrobat Readerが必要です

※この添付文書情報は実際の添付文書と若干異なる場合があります。


** 2008年3月改訂(第14版)
* 2007年10月改訂
LH-RH注1)誘導体
マイクロカプセル型徐放性製剤
劇薬  指定医薬品  処方せん医薬品注2)

リュープリン注射用3.75・1.88
*注射用リュープロレリン酢酸塩
日本標準商品分類番号  872499


承認番号 薬価収載 販売開始
1.88 (6AM)1134 1994年8月 1994年9月
3.75 (4AM)896 1992年8月 1992年9月
キット
1.88
(11AM)176 1999年5月 1999年5月
キット
3.75
(8AM)10156 1999年5月 1999年5月

効能追加 1999年3月
**,*再審査結果 2008年2月

注1)  LH-RH:黄体形成ホルモン放出ホルモン
注2)  処方せん医薬品:注意 - 医師等の処方せんにより使用すること

貯     法 室温保存
使用期限 外箱に表示の使用期限内に使用すること。
(使用期限内であっても開封後はなるべく速やかに使用すること。)


【禁忌】
(次の患者には投与しないこと)
子宮内膜症
子宮筋腫
中枢性
  思春期早発症
の場合
(1) 本剤の成分又は合成LH-RH、LH-RH誘導体に対して、過敏症の既往歴のある患者
(2) 妊婦又は妊娠している可能性のある患者、授乳中の患者(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
(3) 診断のつかない異常性器出血の患者[悪性疾患の可能性がある。]
閉経前乳癌
の場合
(1) 本剤の成分又は合成LH-RH、LH-RH誘導体に対して、過敏症の既往歴のある患者
(2) 妊婦又は妊娠している可能性のある患者、授乳中の患者(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
前立腺癌
の場合
本剤の成分又は合成LH-RH、LH-RH誘導体に対して、過敏症の既往歴のある患者

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*【組成・性状】

本剤は白色の粉末の凍結乾燥製剤であり、下記のバイアル品とキット品がある。

   リュープリン注射用1.88
(バイアル品及びキット品)
リュープリン注射用3.75
(バイアル品及びキット品)
有効成分 リュープロレリン酢酸塩 1.88mg 3.75mg
添加物 乳酸・グリコ-ル酸共重合体(3:1)
d-マンニトール
16.88mg
3.3mg
33.75mg
6.6mg

なお、バイアル品には懸濁用液1mLが添付されており、キット品は粉末部本体と液体部(懸濁用液1mL)が一体となっている。懸濁用液1mLには、注射用水及び添加物としてD-マンニトール50mg、カルメロースナトリウム5mg、ポリソルベート80 1mgを含有する。
本剤が添付の懸濁用液1mLで懸濁された場合、pHは6.0〜7.5、浸透圧比(生理食塩液に対する比)は約1である。

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【効能・効果】

リュープリン
注射用1.88
リュープリン
注射用3.75
リュープリン
注射用キット1.88
リュープリン
注射用キット3.75
子宮内膜症 子宮内膜症 子宮内膜症 子宮内膜症
過多月経、下腹痛、腰痛及び貧血等を伴う子宮筋腫における筋腫核の縮小及び症状の改善 過多月経、下腹痛、腰痛及び貧血等を伴う子宮筋腫における筋腫核の縮小及び症状の改善 過多月経、下腹痛、腰痛及び貧血等を伴う子宮筋腫における筋腫核の縮小及び症状の改善 過多月経、下腹痛、腰痛及び貧血等を伴う子宮筋腫における筋腫核の縮小及び症状の改善
   閉経前乳癌    閉経前乳癌
   前立腺癌    前立腺癌
中枢性思春期早発症 中枢性思春期早発症      

<効能・効果に関連する使用上の注意>

子宮筋腫
の場合
本剤による子宮筋腫に対する治療は根治療法ではないことに留意し、手術が適応となる患者の手術までの保存療法並びに閉経前の保存療法としての適用を原則とすること。なお、下腹痛、腰痛に対する効果は、投与初期には認められないので、その間は適当な対症療法を考慮すること。
閉経前乳癌
の場合
本剤の使用開始にあたっては、原則としてホルモン受容体の発現の有無を確認し、ホルモン受容体が陰性と判断された場合には本剤を使用しないこと。

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【用法・用量】

○子宮内膜症の場合

通常、成人には4週に1回リュープロレリン酢酸塩として3.75mgを皮下に投与する。ただし、体重が50kg未満の患者では1.88mgを投与することができる。なお、初回投与は月経周期1〜5日目に行う。

○子宮筋腫の場合

通常、成人には4週に1回リュープロレリン酢酸塩として1.88mgを皮下に投与する。ただし、体重の重い患者、子宮腫大が高度の患者では3.75mgを投与する。なお、初回投与は月経周期1〜5日目に行う。

○前立腺癌、閉経前乳癌の場合

通常、成人には4週に1回リュープロレリン酢酸塩として3.75mgを皮下に投与する。

○中枢性思春期早発症の場合

通常、4週に1回リュープロレリン酢酸塩として30μg/kgを皮下に投与する。なお、症状に応じて90μg/kgまで増量できる。

バイアル品の投与に際しては、1バイアル当たり、添付の懸濁用液1mLで泡立てないように注意しながら、十分に懸濁して用いる。
キット品の投与に際しては、注射針を上にしてプランジャ-ロッドを押して、懸濁用液全量を粉末部に移動させ、泡立てないように注意しながら、十分に懸濁して用いる。
キット品は投与量の調節が不可能なため、1回当たり全量投与が必要な患者にのみ使用すること。

<用法・用量に関連する使用上の注意>

全効能疾患共通

本剤は4週間持続の徐放性製剤であり、4週を超える間隔で投与すると下垂体-性腺系刺激作用により性腺ホルモン濃度が再度上昇し、臨床所見が一過性に悪化するおそれがあるので、4週に1回の用法を遵守すること。

子宮内膜症
子宮筋腫
の場合
(1) 一般的に投与量の増加に伴って副作用の発現率が高くなる傾向がみられる。投与量の決定にあたっては、用法・用量に示された体重、子宮腫大の程度に留意すること。(臨床成績の項参照)
(2) 治療に際しては妊娠していないことを確認し、必ず月経周期1〜5日目より投与を開始すること。また、治療期間中は非ホルモン性の避妊をさせること。
(3) エストロゲン低下作用に基づく骨塩量の低下がみられることがあるので、6ヵ月を超える投与は原則として行わないこと(6ヵ月を超える投与の安全性は確立していない)。なお、やむを得ず長期にわたる投与や再投与が必要な場合には、可能な限り骨塩量の検査を行い慎重に投与すること。
閉経前乳癌
の場合
(1) 治療に際しては妊娠していないことを確認し、また、治療期間中は非ホルモン性の避妊をさせること。
(2) エストロゲン低下作用に基づく骨塩量の低下がみられることがあるので、長期にわたり投与する場合には、可能な限り骨塩量の検査を行い慎重に投与すること。

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【使用上の注意】

1. 慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)

子宮内膜症
子宮筋腫
閉経前乳癌
の場合
粘膜下筋腫のある患者[出血症状が増悪することがある。](「重要な基本的注意」の項参照)
前立腺癌
の場合
脊髄圧迫又は尿路閉塞による腎障害を既に呈している患者又は新たに発生するおそれのある患者[初回投与初期の血清テストステロン濃度の上昇に伴い、原疾患の症状が悪化する可能性がある。]

2. 重要な基本的注意

子宮内膜症
の場合
(1) 投与に際して、類似疾患(悪性腫瘍等)との鑑別に留意し、投与中腫瘤が増大したり、臨床症状の改善がみられない場合は投与を中止すること。
(2) 初回投与初期に、高活性LH-RH誘導体としての下垂体-性腺系刺激作用による血清エストロゲン濃度の一過性の上昇に伴い、臨床所見の一過性の悪化が認められることがあるが、通常治療を継続することにより消失する。
(3) 更年期障害様のうつ状態があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察すること。(「重大な副作用」の項参照)
子宮筋腫
の場合
(1) 投与に際して、類似疾患(悪性腫瘍等)との鑑別に留意し、投与中腫瘤が増大したり、臨床症状の改善がみられない場合は投与を中止すること。
(2) 粘膜下筋腫の患者に投与する場合は、出血症状が増悪することがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。また、出血症状が増悪した場合には連絡するよう患者に対し注意を与えること。
(3) 初回投与初期に、高活性LH-RH誘導体としての下垂体-性腺系刺激作用による血清エストロゲン濃度の一過性の上昇に伴い、臨床所見の一過性の悪化が認められることがあるが、通常治療を継続することにより消失する。
(4) 更年期障害様のうつ状態があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察すること。(「重大な副作用」の項参照)
閉経前乳癌
の場合
(1) 本剤は内分泌療法剤であり、閉経前乳癌に対し使用する場合には、がんに対する薬物療法について十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤による治療が適切と判断される患者についてのみ使用すること。
(2) 初回投与初期に、高活性LH-RH誘導体としての下垂体-性腺系刺激作用による血清エストロゲン濃度の上昇に伴って骨疼痛の一過性増悪等がみられることがあるが、このような症状があらわれた場合には対症療法を行うこと。
(3) 本剤で抗腫瘍効果が得られず進行を認めた場合は、投与を中止すること。
(4) 更年期障害様のうつ状態があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察すること。(「重大な副作用」の項参照)
前立腺癌
の場合
(1) 本剤は内分泌療法剤であり、前立腺癌に対し使用する場合には、がんに対する薬物療法について十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤による治療が適切と判断される患者についてのみ使用すること。
(2) 初回投与初期に、高活性LH-RH誘導体としての下垂体-性腺系刺激作用による血清テストステロン濃度の上昇に伴って骨疼痛の一過性増悪がみられることがあるが、このような症状があらわれた場合には対症療法を行うこと。また、尿路閉塞あるいは脊髄圧迫のみられるおそれがあるので慎重に投与し、投与開始1ヵ月間は十分観察を行い、このような症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
中枢性思春期
早発症
の場合
(1) 初回投与初期に、高活性LH-RH誘導体としての下垂体-性腺系刺激作用による性腺ホルモン濃度の一過性の上昇に伴い、臨床所見の一過性の悪化が認められることがあるが、通常治療を継続することにより消失する。
(2) 治療中は定期的にLH-RHテストを行い、血中LH及びFSHの反応性が抑制されない場合には、投与を中止すること。

3. 相互作用

子宮内膜症・子宮筋腫の場合
併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
性ホルモン剤
  エストラジオール誘導体、
  エストリオール誘導体、
  結合型エストロゲン製剤、
  卵胞ホルモンと黄体ホルモンの合剤、
  両性混合ホルモン剤
本剤の効果を減弱することがある。 本剤は性ホルモンの分泌を低下させることにより薬効を示す。したがって、性ホルモン剤の投与は本剤の治療効果を減弱する可能性がある。

4. 副作用

各効能疾患別及び調査別の臨床検査値の異常を含む副作用の発現頻度は次表のとおりである。

効能疾患 承認時までの調査 市販後の使用成績調査
子宮内膜症 86.3%〔472/547〕 31.1%〔803/2,586〕
(1998年12月時点)
子宮筋腫 83.5%〔344/412〕 19.4%〔485/2,498〕
(2000年12月時点)
閉経前乳癌 64.0%〔64/100〕 11.6%〔34/292〕
(2000年12月時点)
前立腺癌 47.5%〔75/158〕 10.3%〔127/1,232〕
(1998年12月時点)
中枢性思春期早発症 20.8%〔22/106〕 3.5%〔3/85〕
(1998年12月時点)
〔 〕内:副作用発現症例数/安全性評価対象症例数

以下の副作用は上記の調査あるいは自発報告等で認められたものである。
本剤は徐放性製剤であるので、最終投与後も薬効持続期間中は患者の状態を観察すること。

(1)重大な副作用

全効能疾患共通
  1) 発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部x線異常等を伴う間質性肺炎(0.1%未満)があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
  2) アナフィラキシー様症状(0.1%未満)があらわれることがあるので、問診を十分に行い、投与後は十分に観察し、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
  3) AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等を伴う肝機能障害、黄疸(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
  4) 糖尿病の発症又は増悪(頻度不明)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
  5) 下垂体卒中(頻度不明)が下垂体腺腫患者で報告されているので、初回投与直後に頭痛、視力・視野障害等があらわれた場合には、検査のうえ外科的治療等の適切な処置を行うこと。

子宮内膜症
子宮筋腫
閉経前乳癌
の場合
エストロゲン低下作用に基づく更年期障害様のうつ状態(0.1〜5%未満)があらわれることがあるので患者の状態を十分に観察すること。
前立腺癌
の場合
1) うつ状態(0.1%未満)があらわれることがあるので患者の状態を十分に観察すること。
2) 下垂体-性腺系刺激作用による血清テストステロン濃度の上昇に伴って骨疼痛の一過性増悪尿路閉塞あるいは脊髄圧迫(5%以上)がみられることがあるので、このような場合には対症療法等適切な処置を行うこと。

(2)その他の副作用

子宮内膜症・子宮筋腫・閉経前乳癌・中枢性思春期早発症の場合
   5%以上 0.1〜5%未満 0.1%未満
1)低エストロゲン症状 ほてり、熱感、のぼせ、肩こり、頭痛、不眠、めまい、発汗 性欲減退、冷感、視覚障害、情緒不安定   
2)女性生殖器    不正出血、腟乾燥、性交痛、腟炎、帯下増加、卵巣過剰刺激症状、乳房の疼痛・緊満感・萎縮   
3)筋・骨格系 関節痛、骨疼痛等の疼痛 関節硬直、腰痛、筋肉痛、筋痙攣、骨塩量の低下、血清リン上昇、高カルシウム血症   
4)皮  膚    ざ瘡、皮膚乾燥、脱毛、多毛、爪の異常   
5)精神神経系    眠気、いらいら感、記憶力低下、注意力低下、知覚異常   
6)過敏症    発疹、そう痒   
7)肝  臓注3)    AST(GOT)、ALT(GPT)、AL-P、LDH、γ-GTP、ビリルビンの上昇 黄疸
8)消化器    悪心、嘔吐、食欲不振、腹痛、腹部膨満感、下痢、便秘、口内炎、口渇   
9)循環器    心悸亢進、血圧上昇   
10)血  液    赤血球増多、貧血、白血球減少、血小板減少、部分トロンボプラスチン時間延長   
11)泌尿器系    頻尿、排尿困難、BUNの上昇   
12)投与部位    疼痛、硬結、発赤等の注射部位反応 膿瘍
13)その他    疲労、けん怠感、脱力感、口唇・四肢のしびれ、手根管症候群、耳鳴、難聴、胸部不快感、浮腫、体重増加、下肢痛、息苦しさ、発熱、総コレステロール上昇、ldlコレステロール上昇、トリグリセライド上昇、高カリウム血症 体重減少、
味覚異常、
甲状腺機能異常
注3)観察を十分に行うこと。

前立腺癌の場合
   5%以上 0.1〜5%未満 0.1%未満
1)肝  臓注3) LDH上昇 黄疸、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、AL-Pの上昇   
2)内分泌系 ほてり、熱感 頭痛、顔面潮紅、めまい、発汗、性欲減退、勃起障害、女性化乳房、睾丸萎縮、会陰部不快感   
3)筋・骨格系    関節痛、骨疼痛、肩・腰・四肢等の疼痛、歩行困難 筋肉痛、骨塩量の低下
4)皮  膚    皮膚炎、頭部発毛   
5)泌尿器系    頻尿、血尿、BUNの上昇   
6)循環器    心電図異常、心胸比増大   
7)血  液    貧血、血小板減少   
8)消化器    悪心、嘔吐、食欲不振 下痢
9)過敏症    発疹、そう痒   
10)投与部位    疼痛、硬結、発赤等の注射部位反応 膿瘍
11)その他    浮腫、胸部圧迫感、悪寒、けん怠感、口唇・四肢のしびれ、体重増加、知覚異常、難聴、耳鳴、発熱、総コレステロール上昇、トリグリセライド上昇、尿酸上昇、高カリウム血症、血糖値上昇 脱力感
注3)観察を十分に行うこと。

5. 妊婦、産婦、授乳婦等への投与

子宮内膜症
子宮筋腫
閉経前乳癌
中枢性思春期
早発症
の場合
妊婦又は妊娠している可能性のある患者、授乳中の患者には投与しないこと。[LH-RH誘導体による流産の報告があり、本剤の動物試験で胎児死亡の増加及び胎児体重の低値(ラット、ウサギ)1)並びに骨格異常の増加傾向(ウサギ)1)がみられている。また、ラットで乳汁への移行がみられている。]

6. 小児等への投与

中枢性思春期早発症の場合
低出生体重児、新生児、乳児に対する安全性は確立していない。

7. 適用上の注意

全効能疾患共通
(1) 投与経路:皮下注射のみに使用すること。
 [静脈注射により血栓症を誘発するおそれがある。]
(2)
投与法
1) 注射針は25ゲ-ジ又はそれよりも太いものを用いること(キット品には25ゲージの注射針が装着されている)。
2) 皮下注射にあたっては下記の点に注意すること。
  
1) 注射部位は上腕部、腹部、臀部の皮下とすること。
2) 注射部位は毎回変更し、同一部位への反復注射は行わないこと。
3) 注射針が血管内に入っていないことを確認すること。
4) 注射部位をもまないように患者に指示すること。
(3) 調製法
1) 用時調製し、懸濁後は直ちに使用すること。
2) バイアル品の懸濁液の粒子が沈降している場合は、泡立てない程度に揺り動かして粒子をよく再懸濁させて使用すること。

8. その他の注意

全効能疾患共通
ラットにリュープロレリン酢酸塩として本剤0.8、3.6及び16mg/kg/4週を1年間、並びにリュープロレリン酢酸塩水溶液注射剤0.6、1.5及び4mg/kg/日を2年間それぞれ皮下投与した試験で、良性下垂体腺腫が認められたとの報告がある。

子宮内膜症・子宮筋腫・閉経前乳癌・中枢性思春期早発症の場合
本剤の投与により静脈血栓症、肺塞栓症がみられたとの報告がある。

前立腺癌の場合
本剤の投与により脳梗塞、静脈血栓症、肺塞栓症がみられたとの報告がある。

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【薬物動態】

子宮内膜症の場合

1. 血中濃度3〜5)

子宮内膜症患者にリュープロレリン酢酸塩として1.88mg又は3.75mgを4週ごとに6回皮下投与した場合の血中濃度は図1のとおりである。なお、子宮内膜症患者(77例)にリュープロレリン酢酸塩として3.75mgを4週ごとに6回皮下投与した時の未変化体と代謝物M-Iとを合せた血中濃度からみて、蓄積性はないと考えられる。
※ M-I:Tyr-D-Leu-Leu-Arg-Pro-NHC2H5
図1 本剤投与時の血中濃度(子宮内膜症患者)

2. 尿中排泄5)

子宮内膜症患者にリュープロレリン酢酸塩として3.75mgを4週ごとに6回皮下投与した場合、初回投与後24時間及び6回目投与後24時間の未変化体及び代謝物M-Iの尿中排泄率は表のとおりである。

初回投与後24時間 6回目投与後24時間
未変化体 M-I 未変化体 M-I
1.1(8) 1.1(8) 1.3(7) 1.3(7)
数字は尿中排泄率(%)、( )内は例数

子宮筋腫の場合
子宮筋腫患者における薬物動態は子宮筋腫と同様のエストロゲン依存性疾患であり患者の年齢層も比較的類似する子宮内膜症における薬物動態と同様と考えられる。

閉経前乳癌の場合6)
閉経前乳癌患者にリュープロレリン酢酸塩として3.75mgを4週ごとに3回皮下投与した場合の未変化体の血中濃度は図2のとおりである。また、2回目及び3回目投与の4週後の血中濃度は初回投与4週後の血中濃度よりも高値を示さず蓄積性はないと考えられる。 図2 本剤投与時の血中濃度(閉経前乳癌患者)

前立腺癌の場合

1. 血中濃度7)

前立腺癌患者にリュープロレリン酢酸塩として3.75mgを単回皮下投与した場合の血中濃度は図3のとおりである。
なお、前立腺癌患者(17例)にリュープロレリン酢酸塩として3.75mgを4週ごとに3回皮下投与した時の血中濃度からみて、蓄積性はないと考えられる。

2. 尿中排泄

前立腺癌患者(2例)にリュープロレリン酢酸塩として3.75mgを単回皮下投与した場合、投与後28日までの未変化体及び代謝物M-Iの尿中累積排泄率はそれぞれ2.9%及び1.5%である。

図3 本剤投与時の血中濃度(前立腺癌患者)

中枢性思春期早発症の場合

1. 血中濃度

中枢性思春期早発症患者にリュープロレリン酢酸塩として30μg/kgを4週ごとに12回皮下投与した場合の初回投与後の未変化体の血中濃度は図4のとおりである。また、以降の未変化体の血中濃度からみて、蓄積性はないと考えられる。

2. 尿中排泄

中枢性思春期早発症患者(1例)にリュープロレリン酢酸塩として30μg/kgを単回皮下投与した場合、投与後28日までの未変化体及び代謝物M-Iの尿中累積排泄率はそれぞれ1.8%及び7.1%である。

図4 本剤投与時の血中濃度(中枢性思春期早発症患者)

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【臨床成績】

子宮内膜症の場合3〜5,8〜13)

子宮内膜症患者を対象に、4週に1回リュープロレリン酢酸塩として1.88mg又は3.75mgを皮下に6回投与した臨床試験における、24週時点での全般改善率は次表のとおりであり、3.75mgを投与した場合の改善率(著明改善+改善)は79.9%である。

   1.88mg
著明改善+改善(改善率)
3.75mg
著明改善+改善(改善率)
体重 50kg未満 20/28(71.4) 107/136(78.7)
50kg以上 31/49(63.3) 159/197(80.7)
数字は例数、( )内はパ-セント

1.88mgの臨床効果は3.75mgと比べるとやや低かったものの、体重別に検討したところ体重50kg未満では概ね同等の改善率が得られることが示唆された。
体重50kg未満の子宮内膜症の患者を対象に、4週に1回リュープロレリン酢酸塩として1.88mgを皮下に6回投与した臨床試験を更に行ったところ、82.0%(41例/50例)の改善率(「改善」以上)が得られている。
なお、子宮内膜症患者を対象とした二重盲検比較対照試験の結果、本剤の有用性が認められている。

子宮筋腫の場合14〜16, 26)

子宮筋腫患者を対象に、4週に1回リュープロレリン酢酸塩として1.88mg又は3.75mgを皮下に4回又は6回投与した臨床試験において、判定不能例を除く最終投与後4週時点での全般改善率(著明改善+改善)は83.5%(259例/310例)、著明改善率は39.7%(123例/310例)である。
なお、投与量、体重及び投与前の子宮の大きさ(内診による)で層別した改善以上の改善率は次表のとおりとなり、比較的体重の重い患者(55kg以上)及び子宮腫大が高度の患者(子宮の大きさが手拳大以上)では1.88mg群に比べ3.75mg群で高い改善率が得られている。

  著明改善+改善(改善率) 判定結果
2検定)
1.88mg 3.75mg
体重 55kg未満 49/58(84.5) 110/127(86.6) N.S.
55kg以上 20/32(62.5) 80/92(87.0) P<0.01
子宮の大きさ(内診) 手拳大未満 12/14(85.7) 53/66(80.3) N.S.
手拳大以上 23/32(71.9) 100/113(88.5) P<0.01
数字は例数、( )内はパーセント

なお、子宮筋腫患者を対象とした二重盲検比較対照試験の結果、本剤の有用性が認められている。
また、1回0.94mg、1.88mg、3.75mg又は5.63mgを4回投与した用量設定試験における集計では、それぞれ48例中35例(72.9%)、45例中36例(80.0%)、43例中39例(90.7%)及び49例中43例(87.8%)に、臨床検査値の異常を含む副作用が認められている。

閉経前乳癌の場合6,17)

閉経前乳癌患者を対象に、4週に1回リュープロレリン酢酸塩として3.75mgを皮下に3回投与した臨床試験において、12週時点での完全例及び適格例に対する奏効率(CR+PR)はそれぞれ30.4%(14例/46例)、28.6%(14例/49例)である。また、12週以降も引き続き本剤が単独投与され、長期投与時の評価が行われた症例及び投与開始12週時点で評価が終了した症例を合わせた完全例及び適格例全例の奏効率*(CR+PR)はそれぞれ37.0%(17例/46例)、34.7%(17例/49例)である(※全観察期間を通じてみたBest Responseによる評価)。[「進行・再発乳癌患者における治療効果の判定基準」による評価。(CR:Complete Response(著効)、PR:Partial Response(有効))]
また、外国(欧州)においてリンパ節転移陽性の閉経前及び閉経周辺期乳癌術後患者を対象に、3カ月に1回リュープロレリン酢酸塩11.25mgの皮下投与又はCMF療法を行った無作為割付群間比較試験における無再発生存率は下表のとおりである。

投与薬剤 用法・用量 投与開始2年後の
無再発生存率
(主要評価項目)
投与開始5年後の
無再発生存率
(副次評価項目)
リュープロレリン酢酸塩
11.25mg
3カ月に1回皮下投与
・24カ月間投与
83.0%
(224例/270例)
60.5%
(153例/253例)
CMF療法
  シクロホスファミド
  500mg/m2
  メトトレキサート
  40mg/m2
  フルオロウラシル
  600mg/m2
各薬剤を1カ月毎に2回
(1日目及び8日目)
静脈内投与することを
1サイクルとし、
6サイクル(6カ月間)投与
80.9%
(207例/256例)
60.6%
(146例/241例)

前立腺癌の場合7,18〜19)

前立腺癌患者を対象に、4週に1回リュープロレリン酢酸塩として3.75mgを皮下に3回投与した臨床試験において、12週時点での完全例及び適格例に対する奏効率(CR+PR)はそれぞれ53.9%(55例/102例)、48.2%(55例/114例)である。また、本剤による単独治療が継続された患者を対象に、4週に1回あて5〜46回皮下に投与された長期投与試験において、評価可能例の完全例に対する奏効率*(CR+PR)は51.7%(15例/29例)である(*全観察期間を通じてみたBest Responseによる評価)。[「前立腺癌の薬物療法における治療効果判定基準」による評価。(CR:Complete Response (著効)、PR:Partial Response(有効))]なお、前立腺癌患者を対象とした比較対照試験の結果、本剤の有用性が認められている。

中枢性思春期早発症の場合20〜21)

中枢性思春期早発症患者を対象に、4週に1回リュープロレリン酢酸塩として30μg/kg〜90μg/kgを皮下に投与した臨床試験において、24週、48週、96週及び144週時点での有効率は次表のとおりである。

評価時期 例数 著効(有効率) 著効+有効(有効率)
24週 102 37(36.3) 92(90.2)
48週 100 33(33.0) 90(90.0)
96週 92 30(32.6) 84(91.3)
144週 23 9(39.1) 22(95.7)
数字は例数、( )内はパーセント

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【薬効薬理】

1. 作用機序

高用量のLH-RH又は高活性LH-RH誘導体であるリュープロレリン酢酸塩を反復投与すると、初回投与直後一過性に下垂体-性腺系刺激作用(急性作用)がみられた後、下垂体においては性腺刺激ホルモンの産生・放出が低下する。更に、卵巣及び精巣の性腺刺激ホルモンに対する反応性が低下し、エストラジオール及びテストステロン産生能が低下する(慢性作用)。リュープロレリン酢酸塩のLH放出活性はLH-RHの約100倍であり、その下垂体-性腺機能抑制作用はLH-RHより強い。リュープロレリン酢酸塩が高活性LH-RH誘導体であり、下垂体-性腺機能抑制作用が強い理由は、リュープロレリン酢酸塩が、LH-RHと比較して蛋白分解酵素に対する抵抗性が高いこと、LH-RHリセプターに対する親和性が高いことなどによる。更に、本剤は徐放性製剤であるので、常時血中にリュープロレリン酢酸塩を放出して効果的に卵巣及び精巣の反応性低下をもたらし、下垂体-性腺機能抑制作用を示す。22〜25)

2. 性腺ホルモン濃度抑制作用

(1) 子宮内膜症患者、子宮筋腫患者及び閉経前乳癌患者において、4週に1回の皮下投与により血清エストラジオール濃度は概ね閉経期レベル近くにまで低下し、卵巣機能抑制作用を認め、通常排卵は抑制され、月経は停止する。3,6,8,17,26)
(2) 前立腺癌患者において4週に1回の皮下投与により血清テストステロン濃度が持続的に去勢レベル以下に低下し、薬物的去勢作用が認められる。7,18〜19)
(3) 中枢性思春期早発症の女児及び男児において、4週に1回の皮下投与により性腺ホルモン濃度は、前思春期レベルにまで低下し、二次性徴の進行抑制作用が認められる。20〜21)

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*【有効成分に関する理化学的知見】

構造(アミノ酸配列): 5-oxo-Pro-His-Trp-Ser-Tyr-D-Leu-Leu-Arg-Pro-NH-CH2-CH3・CH3COOH
一般名: リュープロレリン酢酸塩(Leuprorelin Acetate) [JAN]
化学名: 5-oxo-Prolyl-histidyl-tryptophyl-seryl-tyrosyl-D-leucyl-leucyl-arginyl-N-ethyl-prolinamide monoacetate
分子式: C59H84N16O12・C2H4O2
分子量: 1269.45
性  状: リュープロレリン酢酸塩は白色〜帯黄白色の粉末である。水又は酢酸(100)に極めて溶けやすく、メタノール又はエタノール(95)に溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくく、アセトニトリルにほとんど溶けない。吸湿性である。

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【包  装】

1.88mg:1バイアル(懸濁用液1ml添付)
3.75mg:1バイアル(懸濁用液1ml添付)
  キット1.88:1キット
  キット3.75:1キット

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【主要文献】

1)   大島洋次郎他:薬理と治療,18(Suppl.3):589,609,625,633,1990.
2)   茶谷文雄他:ibid.,18(Suppl.3):575,1990.
3)   水野正彦他:産婦人科の世界,44:751,1992.
4)   星合 昊他:ibid.,45:61,1993.
5)   中村元一他:薬理と治療,20:3329,1992.
6)   田口鐵男他:癌と化学療法,22:477,1995.
7)   新島端夫他:泌尿器科紀要,36:1343,1990.
8)   水野正彦他:産婦人科の世界,44:923,1992.
9)   熊坂高弘他:ibid.,44:851,1992.
10)   武谷雄二他:薬理と治療,20:3343,1992.
11)   松尾明美他:臨床婦人科産科,46:1140,1992.
12)   水口弘司他:日本不妊学会雑誌,37:580,1992.
13)   武谷雄二他:産婦人科の世界,49:315,1997.
14)   寺川直樹他:産科と婦人科,62:569,1995.
15)   中村元一他:産婦人科の世界,47:323,1995.
16)   谷口晴記他:ibid.,47:423,1995.
17)   田口鐵男他:癌と化学療法,22:495,1995.
18)   阿曽佳郎他:泌尿器科紀要,37:305,1991.
19)   赤座英之他:泌尿器外科,4:527,1991.
20)   田中敏章他:Endocrinologia Japonica,38:369,1991.
21)   田中敏章他:ホルモンと臨床,40:835,1992.
22)   須藤勝一他:薬理と治療,18(Suppl.3):515,1990.
23)   前多敬一郎他:ibid,18:2615,1990.
24)   山崎 巌他:武田研究所報,36:64,1977.
25)   須藤勝一他:薬理と治療,18(Suppl.3):521,1990.
26)   武谷雄二他:産科と婦人科,62:741,1995.

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【文献請求先】

武田薬品工業株式会社  
医薬開発本部  日本開発センター  医薬情報部
〒540-8645  大阪市中央区道修町四丁目1番1号

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製造販売元

武田薬品工業株式会社
〒540-8645  大阪市中央区道修町四丁目1番1号



Last updated:2008/04  


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