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さて、ちょうどその頃LH-RHが生理活性ペプチドの研究領域に登場してきたが、米国のAbbott社からの我々に対する共同研究の申し込みもあり、森田現社長注1をプロジェクト・コーディネーターとするプロジェクト・チームが編成され、Abbott社との共同研究がスタートした(1970年代初期)。
この共同研究は基本的には武田薬品が合成を担当し、Abbott社側が生理活性のスクリーニングを担当することで開始したが、段々と両者共に合成と生物学的評価とを相互に手掛けるようになった。
我々はTRHで実績のあった合成法を使って、比較的速やかに数多くのLH-RH誘導体を合成することができた。それはLH-RH誘導体が産科領域で排卵促進剤として、下垂体もしくは胎盤性の糖蛋白質ホルモンの代わりに不妊症に対して使い得る可能性が考えられたためであった。
しかし、我々が合成したLH-RH誘導体の中から、現在super-agonistと呼ばれている誘導体「リュープロレリン」が出現し、しかも排卵促進剤としてではなく前立腺癌、子宮内膜症、子宮筋腫などの治療薬として開発されるに至ったことは、当初予想もしなかった用途が見い出されたわけで、非常に幸運なことであった。
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