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副作用情報(全効能共通)
(1)重大な副作用 ●全効能疾患共通
○参考文献情報
1.発生機序 本剤により間質性肺炎を呈した症例が報告されていますが、その発生機序については現在のところ不明です。(1997年11月現在)
2.症状1) 殆どの症例で弛張熱あるいは間歇熱型の発熱を伴い、呼吸困難、咳嗽が50%以上にみられ、発疹も25%以上で発現し、聴診ではfine crackles(Velcroラ音)、捻髪音が聴取されます。検査所見では血沈の亢進が50%以上に、好酸球増多が約50%、CRPの陽性化が90%、GOT,GPTの上昇も30%以上にみられます。労作後の動脈血酸素分圧の低下などの肺機能の低下、胸部X線像ではスリガラス陰影、微細粒状影、粒状網状影などを呈するとされています。 <参考>患者指導の実際2) ◇患者さんが訴える症状
3.対処法1) 急性か慢性か、経過にあわせた治療が原則です。原因が薬剤性の場合は、1)原因薬剤の投与を中止し、かつ、起こっている炎症を抑制する(ステロイド剤など)、2)炎症消退後の肺の線維化を防止すること(ステロイド剤、アザチオプリンやシクロフォスファミド、サイクロスポリンなど)の2点が治療のポイントです。重症度(動脈血酸素分圧)に応じた治療の指針も出されています。
〔参考文献〕
●全効能疾患共通
○参考文献情報
1.発生機序 本剤によるアナフィラキシー関連症状が報告されていますが、詳細については不明です。(1997年11月現在)
アナフィラキシー症状は数分〜10数分以内に発現します。その症状は下表に示すごとく、そう痒感、蕁麻疹などの軽度の皮膚症状から血圧低下、気管支攣縮による喘息発作のような全身性ショックなど多彩です1)。
症状の進行は急速で、死亡は初期の1〜2時間に起こり、多くは咽頭浮腫(窒息)、循環不全、不整脈などによる心停止などによります。従って、初期のアナフィラキシー症状を見逃すことなく、速やかに適切な治療を開始することが必要です2)。 <参考>患者指導の実際3) ◇患者さんが訴える症状 「顔が赤く熱くなる、皮膚が痒い、蕁麻疹がでる、唇や舌・手足がしびれる、くしゃみ・咳がでる、気分が悪い、心臓がドキドキする、尿意や便意を生じる、喉がつまる、息が苦しい、目の前が暗くなる」 ◇ご家族の方に注意していただく症状 「顔が赤く熱くなる、皮膚が痒い、蕁麻疹がでる、唇や舌・手足がしびれる、くしゃみ・咳がでる、気分が悪い、心臓がドキドキする、尿意や便意を生じる、喉がつまる、息が苦しい、目の前が暗くなる」
予防には
対処方法
4.参考症例 アナフィラキシー症状を呈した症例2例(文献報告5),6))を示します。 症例15)は、ダナゾールによる全身蕁麻疹の副作用歴のある27歳の子宮内膜症の患者で、本剤筋注*6時間後より全身蕁麻疹、呼吸窮迫が発現し始め、エピネフリン、ジフェンヒドラミン投与等にて一旦回復しましたが、10日後に再び同様症状が発現し、4日間に6回の全身蕁麻疹と呼吸窮迫の発現を経験しています。この時もエピネフリン、ジフェンヒドラミン、プレドニゾロン投与にて回復しています。さらに、本剤は1回投与のみですが、投与6週後にもアナフィラキシー反応が発現しています。 (*:海外では筋注が承認されている国もある。) 症例26)は、抗炎症薬によるアレルギーの副作用歴のある74歳の前立腺癌患者で、本剤を皮下投与したところ、5分以内に症状が発現し始め、エピネフリン、ヒドロコルチゾン投与により回復しています。 アナフィラキシー症状発現例
〔参考文献〕
●子宮内膜症、子宮筋腫、閉経前乳癌の場合
●前立腺癌の場合
○参考文献情報
1.発生機序 本剤によりうつ症状を呈し、自殺企図に至った症例が報告されています。詳細不明のため本剤との因果関係は明らかにされておらず、その発生機序についても現在のところ不明ですが、リュープリンはLH-RH(GnRH)アナログで、下垂体のLH-RH受容体のdown regulationによる性腺ホルモン抑制作用を有するので、子宮内膜症、子宮筋腫、閉経前乳癌患者ではリュープリンによる低エストロゲン状態に起因する更年期様症状の可能性1)も考えられます。(1997年11月現在)
2.症状1)〜3) うつ状態では抑うつ気分(悲哀感、寂寥感など)、抑制(億劫)、悲観的認知、不安、自責などの精神症状とともに疲労、けん怠感、不眠、食欲低下、体重減少、口渇などの各種自律神経症状を中心とする身体症状を示します。薬剤によるうつの症状は、内因性のうつ病と異なる特異的なものはありませんが、薬剤によるうつ病では気分の水準の低下による悲哀感や抑うつ気分をあまり示さず、むしろ精神運動抑制、活動性減退、不活発、エネルギーの喪失などを示す場合が多く、また、その基調気分に不快気分、不安、焦燥などが入り混じり、経過中に衝動的、攻撃的となったり、急に不活発、無関心になったりと症状に動揺性があるとの指摘もあります。女性の場合は、エストロゲン脱落症状に伴い、うつ状態がみられることがあります。エストロゲン脱落症状では血管運動神経障害様症状が最も特徴的で、うつ状態の他に、顔のほてり、発汗、頻脈などがみられ、頭痛、不眠、月経異常(不正出血)、知覚異常、神経質なども多くみられます。 <参考>患者指導の実際4) ◇患者さんが訴える症状 「寝つきが悪い;体がだるい;いらいらする;いつもと違って気分が沈む」 ◇ご家族の方に注意していただく症状 「表情に変化がなくなった、言葉が少なくなった、何もかも嫌になる、生きるはりあいがない、悪いことは全て自分のせいだと思う」
薬剤に起因するうつ病の治療は、原因と考えられる薬剤の減量・中止、あるいは抑うつ状態を起こしにくい他の薬剤への変更が原則です。薬剤の漸減や中止が不可能な場合や、抑うつ状態が重度の場合は、抗うつ薬を用います。エストロゲン脱落症状が存在する場合にはエストロゲン補充療法が有効とされています。(ただし、エストロゲン補充療法については本剤の効果を損なうおそれがあるため、注意が必要です。)
〔参考文献〕
●前立腺癌の場合
○参考文献情報
LH-RHアナログはLH-RH受容体との親和性が天然のLH-RHに比べて非常に高いため、LH-RHアナログの投与初期には一過性にLHの放出が起こり、テストステロンの合成が亢進し、血清テストステロンの上昇が認められます。この血清テストステロンの上昇に伴って骨疼痛の一過性増悪、尿路閉塞あるいは脊髄圧迫等の臨床症状が悪化することがあります。
2.症状3) 前立腺癌はホルモン依存性を有するため、血清テストステロンの一過性の上昇により、転移巣の骨疼痛を増強したり、病巣部が尿道や周囲組織を圧迫したりして排尿障害をきたします。
LH-RHアナログを継続投与しても症状はやがて軽快〜消失しますが、投与初期(投与前から、あるいは投与後2〜3週間まで)にアンチアンドロゲン剤を投与することによってある程度コントロールすることが可能とする報告があります。 症状が出た場合、骨疼痛についてはインドメタシン等の鎮痛剤5)を、排尿困難についてはバルーンカテーテル留置等、それぞれ対症療法を考慮します。
4.参考症例 本剤によるflare upと考えられる発現症例を紹介します。症例7)の患者背景は56歳、男性、P.S. 3、病期D2です。本剤3.75mgを腹壁に単回投与したところ、本剤投与2〜4日後に中等度の胸内苦悶の発現とともに骨疼痛の増強(投与前「高度」であったものが、投与後「極めて重症」に推移)がみられ、これに対する処置としてインドメタシン(75mg/日)が2週間経口投与されています。本剤との関連性は「関連ないともいえない」と判定されています。その他の症例は以下に示すとおりです。8)
〔参考文献〕
(2)その他の副作用(5%以上) ●子宮内膜症・子宮筋腫・閉経前乳癌・中枢性思春期早発症の場合
○参考文献情報
1.発生機序1),2) リュープリンはGnRHアナログで、下垂体のGnRH受容体のdown regulationにより長期的に下垂体の機能を抑制し、卵巣機能も抑制します。上記のような症状はこのリュープリンの作用機序による低エストロゲン状態に起因する更年期様症状であるといえます。
2.症状1),2) 低エストロゲン状態に基づく更年期様症状がほとんどです。その主なものはのぼせ、ほてり、不正出血、肩こり、頭痛・頭重感、不眠などです。
3.対処法4),5) 更年期様症状が認められた場合には投与中止や対症療法を考慮する必要があります。更年期様症状の対症療法は抗うつ薬、抗不安薬、漢方薬などの薬剤を中心にそれぞれの症例に最適の薬剤の組み合わせを選択し行います。近年、GnRH療法に少量のエストロゲンを併用するadd-back療法も試みられていますが、エストロゲンの併用は子宮内膜症、子宮筋腫、閉経前乳癌における本剤の治療効果を損なう可能性があり、注意が必要です。
『リュープリンの「使用上の注意」解説』,P24(1996年11月作成より)
4.参考症例 本剤の投与により発現した副作用は主として低エストロゲン状態に起因する、のぼせ、ほてり、肩こり、頭痛・頭重感、発汗などの更年期様症状であると報告6)〜12)されています。なお、これらの症状はほとんどの場合、投与中または投与終了後に消失、軽快すると報告されています。 〔参考文献〕
○参考文献情報
1.発生機序 ・骨疼痛 本剤による骨疼痛は閉経前乳癌例において報告されており、本剤の初回投与後初期に発現した症例では本剤によるフレアーアップ*によるもの1)、また、継続中に発現した症例については癌病巣の骨転移等、病勢の進行による影響2)の可能性が考えられます。
・関節痛 関節痛は更年期様症状の1つとしても知られています。子宮筋腫、子宮内膜症の患者で本剤による関節痛が報告されており、これらは本剤による低エストロゲン状態に起因する可能性3)が考えられます。
2.症状1),4) 閉経前乳癌の症例では、初回投与時に血清エストロゲンの一過性の上昇により、転移巣の骨疼痛を増強したりすることがあります。
3.対処法 ・骨疼痛5) 症状が出た場合、インドメタシン等の鎮痛剤の投与等を対症療法として考慮します5)。なお、GnRH療法では投与初期の血清エストロゲンの一過性の上昇に伴い、骨転移病巣などの痛みが一過性に増強することがありますが、通常、本剤の投与継続中に軽快すると考えられます1)。 以下に承認時までに骨疼痛が発現した症例(閉経前乳癌)で処置が施された例の処置内容を示します。
『リュープリンの「使用上の注意」解説』,P25(1996年11月作成より) ・関節痛6),7) 更年期様症状と考えられる関節痛が認められた場合には、投与中止や鎮痛剤等の対症療法を考慮する必要があります。近年、GnRH療法に少量のエストロゲンを併用するadd-back療法が試みられていますが、エストロゲンの併用は子宮内膜症、子宮筋腫、閉経前乳癌における本剤の治療効果を損なう可能性があり、注意が必要です。
4.参考症例 本剤によるflare upと考えられる発現症例を紹介します。 flare upによると考えられる疼痛が発現した症例(骨疼痛)が報告されていますが、これらは初回投与時に発現しており、本剤の投与を継続し症状が消失したと報告1)されています。 〔参考文献〕
●前立腺癌
○参考文献情報
LH-RHアナログはLH-RH受容体との親和性が天然のLH-RHに比べて非常に高いため、LH-RHアナログの投与初期には一過性にLHの放出が起こり、テストステロンの合成が亢進し、血清テストステロンの上昇が認められます。発汗、発熱、顔面紅潮、体のほてりといったhot flushはこの血清テストステロンの一過性の上昇による症状と考えられます。
2.症状3),4) LH-RHアナログによる特異的な副作用の1つにhot flushが認められます。このhot flushはLH-RHアナログの視床下部の体温中枢への作用と推察されています。なお、hot flushとは発汗、発熱、顔面紅潮、体のほてりといった症状を称します。
3.対処法1),2) LH-RHアナログを継続投与しても症状はやがて軽快〜消失します1),2)が、投与初期(投与前、あるいは投与後2〜3週間まで)にアンチアンドロゲン剤を投与することによってある程度コントロールすることが可能とする報告があります。
4.参考症例 発現症例1)を紹介します。
〔参考文献〕
(3)留意すべき副作用 ●子宮内膜症・子宮筋腫・閉経前乳癌の場合
○参考文献情報
GnRHアナログは、下垂体のGnRH受容体のdown regulationにより長期的に下垂体の機能を抑制し、卵巣機能も抑制します。エストロゲンは骨代謝に深く関与することが知られており、閉経のようなエストロゲンの急激な低下によって骨代謝に変化が生じ、骨塩量は減少します。GnRHアナログは上述のような作用により、偽閉経状態とするため、GnRHアナログの長期投与では骨塩量減少を生じることが報告3)されています。
2.症状4),5) 骨塩量の低下が生じると骨梁の微細構造が変化し、骨の中の間隙が増えることによって骨が脆弱となり骨折をおこしやすい状態になります。初期には通常無症状ですが、骨の変質・変形のため背中が曲がり身長の低下が起こるなど姿勢の変化がみられます。また、姿勢の変化に伴う慢性的な腰や背中の痛みがみられます。なお、骨塩量の著しい低下が起こると、転倒などの外的衝撃が誘因となって骨折を来す場合があります。
3.対処法2),6) GnRHアナログの反復投与、6カ月以上の長期投与については現在十分な成績が得られておらず、慎重に行うことが必要です。なお、一般的処置といえる処置方法はまだ確立されていませんが、Ca製剤、イプリフラボン、活性型ビタミンD3製剤などによる骨塩量の減少抑制が模索されています。また、近年、GnRHアナログ療法に少量のエストロゲンを併用するadd-back療法が試みられていますが、エストロゲンの併用は子宮内膜症、子宮筋腫、閉経前乳癌における本剤の治療効果を損なう可能性があり、注意が必要です。 GnRHアナログ療法時における骨塩量低下に対して薬物療法が行われた代表的な報告7)〜9)を示します。
4.参考試験成績 リュープリンの骨塩量に及ぼす影響をDXA法により検討した結果、6回の投与終了時におけるL2-4(第2〜4腰椎)の骨密度は、1.88mgまたは3.75mg投与によりそれぞれ投与前より平均5.14%、5.50%減少しましたが、投与終了後には徐々に回復する傾向がみられ、投与終了後24週では約4%でした。
〔参考文献〕
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| Last updated:2001/09 |
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