| ※ |
|
で囲まれた内容は添付文書情報、その他は参考情報です。 |
| ※ |
添付文書情報は2002年9月改訂の添付文書に基づいたものです。 |
特殊病態での使用法
1.高齢者への投与法
《使用上の注意》
高齢者では低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
[一般に過度の降圧は好ましくないとされている(脳梗塞等が起こるおそれがある)。] |
◯参考情報
市販後の調査で、本剤が投与された高齢者(70歳以上)における副作用発現率(臨床検査値の異常を含む)は5.44%でした。
一般に高齢者では肝機能や腎機能などの生理機能が低下し、代謝・排泄等が遷延する結果、降圧が過大になる場合がみられます。高齢者の場合には、血圧が下がりすぎると、脳血流の減少から脳梗塞を、また、冠血流の減少から狭心症等を起こすおそれがあるとされています。従って、高齢者に投与する場合は、低用量から投与を開始するなど慎重に投与していただく必要があります。
<参考成績>
■副作用発現頻度集計成績(市販後の調査成績)
| 背景因子 |
例数 |
副作用発現率(臨床検査値異常を含む) |
| 49歳以下 |
1,767 |
6.73% |
| 50〜59歳 |
2,936 |
5.69% |
| 60〜69歳 |
3,772 |
5.38% |
| 70歳以上 |
3,528 |
5.44% |
(市販後の調査成績集計:1995年3月)
2.妊婦、産婦、授乳婦への投与法
《使用上の注意》
| (1) |
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。
[動物試験(ラット)で妊娠期間及び分娩時間が延長することが報告されている。] |
| (2) |
授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は、授乳を避けさせること。
[動物試験(ラット)で母乳中へ移行することが報告されている。] |
|
◯参考情報
1)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人への投与
妊婦を主対象とした臨床試験は実施されておらず、有効性・安全性が確認されていないこと、また、ACE阻害剤により胎児に影響を及ぼした[重症高血圧の妊婦にACE阻害剤を投与したところ、羊水過少症及び胎児発育不全が認められ、生まれた新生児に低血圧及び腎不全(無尿など)が発現した]とする症例1),2)が報告されています。このような背景をふまえ、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人に対して投与禁忌となっており、投与しないでいただく必要があります。
| 1) |
Rothberg A. D. et al.:Pediatric Pharmacology,
4, 189, 1984. |
| 2) |
Mehta N. et al.:Lancet, ii, 96, 1989.
|
<妊婦と降圧薬>
2)授乳婦への投与
ラットにおける試験で、活性代謝物M-I及びその他の代謝物がわずかながら乳汁中に検出されていること、また、子宮内でACE阻害剤に暴露した胎児で腎不全を認める症例が報告されていることから、新生児においても乳汁経由の暴露による危険性が考えられるため、授乳中の婦人には投与を避けていただくか、やむを得ず投与する場合には授乳を避けていただく必要があります。
なお、ヒトで授乳婦を主対象とした試験成績は報告されていません。
<参考成績>
■乳汁への移行性(ラット)
14Cで標識した塩酸デラプリルをラットに経口投与すると、14Cは乳汁にわずかな移行を認めました。
[14C]塩酸デラプリルを経口投与したラットにおける乳汁移行
時間 (h) |
血漿中または乳汁中濃度 (μg/ml、デラプリル換算値) |
| 血漿 |
乳汁 |
| 総放射能 |
未変化体 |
代謝物I |
他の代謝物 |
総放射能 |
未変化体 |
代謝物I |
他の代謝物 |
| 0.25 |
4.79±0.90 |
<0.01 |
4.42 |
0.37 |
0.07±0.01 |
<0.01 |
0.03 |
0.04 |
| 4 |
0.18±0.11 |
<0.01 |
0.07 |
0.11 |
0.25±0.13 |
<0.01 |
0.09 |
0.16 |
| 8 |
0.10±0.06 |
<0.01 |
0.01 |
0.09 |
0.31±0.21 |
<0.01 |
0.06 |
0.25 |
| 投与量:10mg/kg |
総放射能は平均値±標準偏差(n=4) |
| 未変化体と代謝物の濃度はプールした試料についての測定値 |
K. Yoshida et al. :薬理と治療, 13(12), 7151, 1985.
3.小児等への投与
《使用上の注意》
小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。 |
◯参考情報
承認時までの臨床試験で小児を主対象とした臨床試験は実施しておらず、有効性・安全性を検討した成績は現段階では報告されておりません。
<小児と降圧薬>
4.肝機能障害を有する患者への投与
○参考情報
現時点では、肝機能障害を有する患者を主対象としてアデカットの有効性・安全性を検討した試験成績は報告されていません。
5.腎機能障害を有する患者への投与
《使用上の注意》
慎重投与:重篤な腎機能障害のある患者[重篤な腎機能障害のある患者では、腎機能の悪化、血中半減期の延長及び尿中排泄率の低下が起こるおそれがあるので、血清クレアチニン値が3mg/dL以上の患者に投与する場合には、投与量を減らすか又は投与間隔をのばすなど慎重に投与すること。] |
◯参考情報
腎障害患者における本剤の薬物動態を検討した成績1)において、活性代謝物であるM-Iの半減期(T1/2)は血清クレアチニン値が3.1mg/dl以上(Ccr:10.4±2.1ml/min)の症例では健康成人のそれに比べて約2倍に延長、M-IIIの半減期(T1/2)は約4倍に有意の延長、血中濃度曲線下面積(AUC)は約6倍に有意の増加を示したこと、また、腎障害患者の尿中排泄率は血清クレアチニン値3.0mg/dl以下(Ccr:41.0±6.4ml/min)では42%、3.1mg/dl以上では19%であることが報告されています。これらのことから、血清クレアニチン値が3mg/dl以上を示すような腎機能障害のある場合には投与量を減らすか、又は投与間隔をのばすなど慎重に投与していただく必要があります。
なお、塩之入ら2)は腎機能障害時のACE阻害薬の投与量について、<参考>に示すごとく示しています。また、小西ら3)は本剤については、GFR<15ml/minの患者で十分なデータはないが、おそらく50〜25%までの減量が必要であろうとしています。
注)クレアチニンクリアランスはほぼ糸球体濾過率を示す。
| 1) |
小野山 薫ほか:基礎と臨床, 21(4), 1919, 1987. |
| 2) |
塩之入 洋ほか:腎と透析, 37(増), 680, 1994. |
| 3) |
小西孝之助ほか:総合臨床, 45(2), 284, 1996. |
<参考成績>
■腎機能正常1)及び腎機能障害2)の本態性高血圧症患者における薬物動態
デラプリルおよび代謝物のT1/2、AUC、Tmax、Cmax
| |
M-I |
M-II |
M-III |
デラプリル 未変化体 |
Tmax(hr)
Cmax(ng/ml)
T1/2(hr)
AUC0-24(ng・hr/ml) |
1.62
731
1.06
2,498 |
1.30
143
6.23
1,202 |
1.61
266
2.16
1,715 |
−
−
0.80
− |
(本態性高血圧患者4例、30mg1回絶食時経口投与
1回60mg投与での薬物動力学定数
| |
Cmax (ng/ml) |
Tmax (hr) |
T1/2 (hr) |
AUC (ng・hr/ml) |
腎I群 (10例) |
M-I |
1,862±312 |
1.32±0.13 |
1.84±0.22 |
7,213±1,448 |
| M-III |
929±145 |
1.82±0.14 |
1.90±0.29 |
4,225±938 |
| M-II |
222±41 |
2.09±0.30 |
4.34±0.81 |
1,949±465 |
| 未変化体 |
− |
− |
0.31±0.03 |
− |
腎II群
(6例) |
M-I |
1,210±186 |
1.37±0.16 |
2.33±0.35 |
5,897±980 |
| M-III |
780±118 |
2.30±0.17 |
3.44±0.81* |
5,983±1,523 |
| M-II |
188±35 |
1.59±0.14 |
5.84±1.87 |
1,518±221 |
| 未変化体 |
− |
− |
0.27±0.05 |
− |
mean±SE *:p<0.05(腎I群と腎II群との比較)
| 1) |
東 純一ほか:基礎と臨床,2 3(3), 895, 1989. |
| 2) |
小野山 薫ほか:基礎と臨床, 21(4), 1919, 1987. |
■ACE阻害薬の腎機能障害時の投与量
| 薬剤 |
主たる 代謝経路 |
半減期(h) (正常者/末期腎不全) |
方法 |
腎機能障害の程度による投与量の調節 |
| GFR(ml/min) |
透析性の 有無 |
| >50
|
50〜10
|
<10 |
| テモカプリル |
H=R |
9〜20/15〜20 |
D |
不変 |
不変 |
不変 |
Yes(He,P) |
| カプトプリル |
R(H) |
1.9/prolonged |
D |
不変 |
不変 |
50% |
Yes(He,P) |
| エナラプリル |
R(H) |
5〜11/36 |
D |
不変 |
50% |
25〜50% |
Yes(He,P) |
| シラザプリル |
R(H) |
8〜24/prolonged |
D |
不変 |
50% |
25〜50% |
Yes(He,P) |
| ベナゼプリル |
R(H) |
14〜22/prolonged |
D |
不変 |
50% |
25〜50% |
Yes(He,P) |
| リシノプリル |
R |
10〜33/prolonged |
D |
不変 |
50% |
25〜50% |
Yes(He,P) |
GFR:糸球体濾過率 R:腎 H:肝 D:投与量減量法 He:血液透析 P:腹膜透析
塩之入 洋ほか:腎と透析,37(増),680,1994.
6.透析患者への投与
《使用上の注意》
本剤の投与により、まれに急激な血圧低下を起こすおそれがあるので、本剤を血液透析中の患者に投与する場合は、少量より開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと。
投与禁忌:
・デキストラン硫酸セルロースを用いた吸着器によるアフェレーシスを施行中の患者[ショックを起こすことがある。]
・アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜(AN69)を用いた血液透析施行中の患者[アナフィラキシー様症状を起こすことがある。] |
◯参考情報
1)血液透析患者への投与
承認時までに透析患者を主対象とした本剤の臨床試験は実施されませんでしたが、現時点で透析患者を対象とした試験成績1,2)が報告されています。この報告では投与量及び投与間隔に十分配慮し慎重に投与する必要があるとされています。
なお、アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜(AN69)を用いた血液透析施行中の患者においてアナフィラキシー様症状を起こすことが報告されており、これらの患者に対しては投与禁忌になっています。
| 1) |
内藤説也ほか:腎と透析, 31(5), 945, 1991. |
| 2) |
青山道彦ほか:薬理と治療, 20(7), 2589, 1992. |
<参考成績>
■血液透析患者におけるアデカットの降圧効果
高血圧を有する血液透析患者に対し、アデカットを投与する際には、投与量は非透析日に7.5mgから投与開始し、降圧効果をみながら加減することが望ましいとする報告があります。
| [対象] |
クレアチニンクリアランス5ml/min未満の慢性維持透析患者10例
透析期間:52.9±60.3カ月、平均年齢50±12歳 |
| [投与法] |
アデカット7.5mg/日(分1) |
2)LDLアフェレーシスを受けている患者への投与
LDLアフェレーシス(透析等と同様、血液浄化療法の一種)施行中の高脂血症の患者にACE阻害剤を投与したところ、ショック(血圧低下)あるいはアナフィラキシー様症状が発現したとする症例が国内外で報告されており、これらの患者は投与禁忌となっていますので、投与をしないでいただく必要があります。
7.留意すべき基礎疾患を有する患者への投与
○投与禁忌
・他のアンジオテンシン変換酵素阻害剤による血管浮腫の既往歴のある患者[高度の呼吸困難を伴う血管浮腫があらわれることがある。]
・デキストラン硫酸セルロースを用いた吸着器によるアフェレーシスを施行中の患者[ショックを起こすことがある。]
・アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜(AN69)を用いた血液透析施行中の患者[アナフィラキシー様症状を起こすことがある。]
○慎重投与
・両側性腎動脈狭窄のある患者[腎機能が悪化するおそれがある。]
・脳血管障害のある患者[過度の降圧が脳血流不全を惹起し、病態を悪化させることがある。]
○注意を要する患者
本剤の投与により、まれに急激な血圧低下を起こすおそれがあるので、特に次の患者に投与する場合は、少量より開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと。
ア.重症の高血圧症患者
イ.血液透析中の患者
ウ.厳重な減塩療法中の患者
エ.利尿降圧剤投与中の患者(特に最近利尿降圧剤投与を開始した患者) |
|