(1)重大な副作用
(2)その他の副作用
(1)重大な副作用
○参考情報 血管から組織内への水分と電解質の流入の制御機構が破綻し、組織に漏出した水分の細胞間隙での貯留を血管性浮腫といいます。薬剤性の血管性浮腫は、薬剤に対する局所過敏反応であるとされていますが、本症状を引き起こす局所メディエーターについては現在のところ、ヒスタミン、ロイコトリエン、血小板活性化因子及びブラジキニン等が関与している可能性が考えられ、ACE阻害剤ではキニナーゼの代謝が抑制される結果、血管性浮腫が促進又は増悪するという薬理学的機序が推測されています。
蕁麻疹に類似の浮腫が主症状ですが、痒みは激しくなく、好発部位は四肢、眼瞼、口唇、外陰部、舌、咽喉・咽頭などです。浮腫が口腔内粘膜、舌、咽喉・咽頭などに生じると喘鳴、呼吸困難を生じるおそれがあります。 <参考>患者指導の実際5) ◇患者さんが訴える症状 「くちびる、舌、口内、まぶた、顔、首などがはれる;話づらい;呼吸が苦しくなる」
多くの例では投与中止により症状は消失しますが、必要であれば、抗ヒスタミン薬、さらにはステロイド剤を投与します。呼吸困難などの症状を伴う場合は、エピネフリンの皮下注射や気管内挿管、気管切開により気道を確保します。
〔参考文献〕
○参考情報 // 発生機序 // 症状 // 対処法 // 参考症例 // ACE阻害剤の腎への作用の特徴は、輸入細動脈に比べ輸出細動脈優位に血管拡張作用を発揮することであり、その結果糸球体内圧が低下し、濾過圧減少に伴う糸球体濾過値の低下(腎本来の機能の低下)が認められることがあります。特に、すでに腎機能障害を有する患者などではACE阻害剤の投与により腎機能の悪化を生じることがあるため、注意が必要です。
急性腎不全をおこすと腎の機能が障害されるため、老廃物の排泄、水・電解質調節、酸・塩基平衡の維持、内分泌機能などに異常をきたした臨床症状、すなわち、乏尿、血清BUN値・血清クレアチニン値の上昇、浮腫、高K血症、アシドーシスなどが認められます。 <参考>患者指導の実際6) ◇患者さんが訴える症状 「顔や手足がむくむ、からだがだるい、尿の量が減る、尿が赤みを帯びる、発熱、発疹、お腹が痛む、吐き気、下痢、節々が痛む、体重が減る。」
腎血流量の減少が早期に改善されれば、腎機能の改善が期待できますが、腎血流量の減少が強い場合や、長く持続した場合には不可逆性となることも報告されているため、異常が認められた場合は、急性腎不全の原因の除去、すなわち薬物投与を中止することが原則です。特に腎障害が認められる患者などに投与する際は、ACE阻害剤を低用量(通常用量の1/3〜1/2)から注意深く使用するなど注意が必要です。 [参考] 本剤は腎排泄型の薬剤であり、腎障害患者に本剤60mgを単回投与した際の尿中排泄率は血清クレアチニン値3.0mg/dl以下では42%、3.1mg/dl以上では19%と報告7)されており、また、活性代謝物であるM-Iの半減期(T1/2)は血清クレアチニン値が3.1mg/dl以上の症例では健康成人8)のそれに比べて約2倍の延長、M-IIIの半減期(T1/2)は約4倍の有意の延長、血中濃度曲線下面積(AUC)は約6倍の有意の増加を示したことが報告されています。これらの事実から、血清クレアチニン値が3.1mg/dl以上の高度な腎疾患患者では、投与量を減らすか、又は投与間隔をのばすなど慎重に投与する必要があります。
発現症例を紹介します。
〔参考文献〕
(2)その他の副作用
○参考情報 // 発生機序 // 発生頻度 // 症状 // 対処法 // ACE阻害剤による咳の発生機序は解明されていませんが、カプサイシン、ブラジキニン、サブスタンスPなどによって刺激されるC線維受容体を介して発生すると考えられています。 ブラジキニンはACEと同一であるキニナーゼIIなどにより分解されますが、ACE阻害剤の投与によりブラジキニンの不活性化が阻害され、ブラジキニンが体内に蓄積します。このブラジキニンがC線維受容体を刺激し、サブスタンスPなど咳を誘発する物質が遊離され、咳を発生させます。さらに、ブラジキニンはフォスフォリパーゼAを活性化し、プロスタグランジンなどのメディエーターが産生され、これらのメディエーターもC線維受容体を刺激し、咳の発生に関与していると考えられています。
本剤の再審査結果における咳に関連する副作用発現頻度は咳2.94%、咳嗽1.22%でした。(1995年3月集計)
ACE阻害剤による咳は痰を伴わない空咳が特徴的で、ときに咽頭の異常感を伴うこともあります。多くは投与開始後1〜4週くらいの間に出現するとされています。
一般的にACE阻害剤の投与を中止すると、数日以内に咳は消失するとされており、処置としてはACE阻害剤の減量や他の降圧剤への変更、あるいは投与中止が望ましいとされています。
〔参考文献〕
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Last updated:2002/10 |
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